ブリちゃん危機一髪!
そろそろチラホラと半袖の服装がよく見られるようになってきましたね。
まだ梅雨の真っ最中なので風は冷たかったりしますが、お日さんが出てる時はいい具合にポカポカしてます。
梅雨が明けたらやかましいくらいのセミの声や、夕暮れ時に響くヒグラシの声なんかが聴けるようになるんでしょうね。
虫の音色を想像して季節の変わり目を楽しみにしている今日この頃です。
……しかし皆さん、もう一匹この季節にやって来る虫がいることを忘れてはいませんか?
そうです、アイツです!
ゴキさんちのブリちゃんです!
個人的には、台風とブリちゃんの方がセミやヒグラシなどよりも夏の到来を予感させるシグナルなんですが……
うちの本屋さんにもついにこの2大巨頭の片翼が来店してしまいました。
店員一同、半端ないくらいヒヤヒヤしましたよ。
だって……、だってブリちゃんったら……
天井を飛び回ってるんだもの!
元気すぎ! 元気すぎだってばブリちゃん!
いくら一年振りの来店だからってはしゃぎすぎってば!
パッと見は電灯の灯りにたかるカナブンとかに見えないことはないのですが、
二、三秒も見ればその大きさと色に気付きます。
その時の光景をなんて表現すればいいのでしょうか?
表面張力ギリギリのあっつい味噌汁を運んでる状態とでも言うんでしょうか?
……あれ、わかりにくい?
天井スレスレを飛び回ってるせいか、その存在に気付いているお客様は少なかったのですが、奴がひとたび降臨すれば店内がパニックになるのは目に見えてます!
この本屋さんの平穏は奴が握ってるわけです!
時々フェイントのように降下してはまた天井にへばりつくブリちゃん!
ブリちゃんの一挙手一投足に目が離せません!
ああ、このままうちのお店は奴の手のひらの上で振り回されるのか!?
そう思ったその時、社員Sさんはあの伝説の武器を手にしたのです!
タラララッタラ〜♪
虫取りアミ〜!
なんで本屋さんに虫取りアミがあるのかはまったくの謎ですが、これで一気に形成逆転!
Sさんの手に店内の平和が託されたわけです!
まるでセミを取ろうとする少年のようにブリちゃんと戯れるSさん。
もうお客様にもヤツのことはバレバレなんですが、そんなことかまってられません!
皆がSさんに応援と期待をこめた視線を送る中、ついに彼はやったのです!
その手に勝利を、アミの中へとブリちゃんを捕まえたのです!
降り注ぐ拍手!
鳴り響く喝采!
当店に英雄が誕生した瞬間でした!
(↑かなり大げさに脚色してます。あしからず)
結局今回のブリちゃんは天井だけを飛行してたのでお客様にも店員にも本にも実害はありませんでした。
――が、しかし。この先どんなブリちゃんが来店されるかわかりません。
その時のためにも、今後しばらくはカウンター裏に虫取りアミは欠かせませんですよ!
当店に第二の英雄が誕生するのはそう遠くはないかもしれません……
以上、ブリちゃんのご来店のお話でした。