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鏡像

作者: 鯣 肴

僕と君。どっちが本物でどっちが偽者?


※現在編集中

 ぼくときみはおんなじだ。だから、目の前のきみはニセモノだ。だから、ぼくはきみに、きみはニセモノだと言って、うんと言わせることにした。






 ある日、ぼくはおるすばんをすることになった。もう7歳になるから、おるすばんなんてへっちゃらだ。お父さんとお母さんはぼくを置いて元気に出かけていった。僕には、中学生のお姉ちゃんと、ようちえんに行っている妹がいる。でも二人とも外へあそびに行って、家にはいない。


 お父さんとお母さんを見送った後、のんびりしてた。外から音がした。だから、お外に出ようかなと、僕はげんかんへ行った。


 すると、目の前にもう一人のぼくがいた。


「きみはだれなの?」


 ぼくも、目の前のぼくもおんなじことを言ったような……。ぼくが右手を上げる。するときみは左手を上げる。ぼくがジャンプする。するときみもジャンプする。どれも、いっしょに。まねしてくる。


「にらめっこしよっか。」


 ぼくときみ。二人いっしょにそう言った。ぼくは口がにやにやしてる。だからきみもにやにやしてる。ぼくは目をぎょろりとして、ブタさんの鼻をして、あごを出した。そう、目の前のきみとおんなじように。


「ぶふっ。」


 ぼくたちはつばをふいて、笑い転げた。しばらくそうしてた。そして、ふとそれを止める。まじめな顔になって、ぼくはきみと見つめ合う。だって、きみと目が合ったから。だから笑うのをやめて目の前のもう一人のぼくを見つめることにした。


『そらせ、そらせ、目をそらせ。きみからそらせ。ぼくからは絶対にそらさないぞ。』


 そう考えながらじっときみを見つめる。ずっと。どちらがそらすまでずっと。きみの目がぴくぴくしている。もうすぐかもしれない。






 そして。きみは目をそらした。ぼくよりちょっとに先に。きみの口がぴくりとした。ぼくも自然とそうなる。


「ぼくのかちだね。」


 ぼくもきみもそう言った。いっしょに。ぼくはむかっとした。どんどんきみからはなれていった。






 ぼくはきえた。





最後まで読んでくださってありがとうございます。オチを一つ公開します。


一つ目のオチ。僕は鏡像だった。本物である君が鏡に映らないところへ移動したから、僕は消えた。


さて、他にはどんなオチがあるでしょうか?

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