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6 意識

「いやいや、こちらこそ、俊弥君には、よくして頂いて…」

賢治は、いつにもまして丁寧な口調で架奈美に挨拶を返していた。

架奈美と賢治の軽い挨拶と雑談をしている姿を見ていた俺だったが…

(賢治の奴、デレデレしやがって…クソッ!)

妙な苛立ちを覚え、俺は、強引に話の中に割って入った。

「話している中、悪いんだが、もうそろそろいいか?俺達これから、昼を食べに行く途中だったんだ」

「あぁ…そうだったのか、引き止めたりして悪かったな」

そういえば、俺も昼を買いに行く途中だったんだ と付け加えながら賢治が謝ってきた。

「気にするな、じゃあ、また明日な」

と言い残し、俺は架奈美の手を掴み、早々に、その場を後にした。



「何処か、食べに行きたい場所はあるか?」

「…」

架奈美は、無言のまま俯いていた。

「…架奈美?」

「…あ、あの俊弥義兄さん…」

「ん…どうした?」

逆に聞き返してきた架奈美に、俺は返事を返す。

「そ…その…手を…」

【ハッ!】と気付き、俺は手を離した。

「わっ悪い、つい…」

下手な言い訳を返してきた俺に


「ううん…気にしないで」


と顔を真っ赤にしながら架奈美は言ってくれた。

「そ…それで、架奈美は、何処か食べに行きたい場所はあるか?」

再び同じ質問を、俺は架奈美へとなげかけた。

「ん、私は何処でもいいわよ」

「じゃ、あそこの店にしようか」

俺が選んだ店に入り、二人で昼食を済ました。


…店を出た後も、軽く二人で散歩を楽しんだ後、俺達は家に戻ってきていた。

夕食を済ませた後、昨日と同様に二人で談笑を楽しんだ後、風呂に入り、各々の部屋へと足を運んだ。



(架奈美の手…柔らかかったな…)

ベッドに寝転がり、自分の手を眺めながら思い出す。


…ヤバいッ!


あれから、妙に意識してしまっている…賢治に対しての苛立ち、架奈美の照れていた時の顔…。

(どうなってんだ?…俺?)

そんなことを思いながら、俺はベッドの上で眠りについた。

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