第1話: 転生と固定の呪い - プライベートゼロの始まり
俺の名前は佐藤太郎、28歳の普通のサラリーマン。今日もいつものように、帰宅途中にスマホで異世界小説を読んでた。タイトルは『転生したらスライムだった件』のパロディみたいなやつ。で、信号待ちで画面をスクロールしてたら——突然、世界が歪んだ。
「うわっ、何これ!?」
視界が真っ白になって、目が覚めたら……森の中? 木々がうっそうと生い茂り、鳥のさえずりが聞こえる。え、夢? いや、痛い。地面に尻餅ついてる感触がリアルすぎる。
立ち上がろうとした瞬間、視界の端に青いウィンドウがポップアップした。
[ステータス画面]
名前: 佐藤太郎 (転生者)
レベル: 1
HP: 100/100
MP: 50/50
スキル: なし
タイトル: 異世界の迷い子
「は? ステータス画面? ゲームかよ!」
俺の声が、空間に浮かぶ。まるで吹き出しみたいに、緑色の半透明な文字が空中に貼り付いて、ゆっくりフェードアウトしない。残ってる! 俺の「は?」が、木の葉っぱの陰にくっついたまま揺れてる!
「これ、ヤバいだろ……」
今度は「これ、ヤバいだろ」の文字が、俺の足元にベタッと張り付く。まるでホログラムみたいに、光を反射してキラキラしてる。試しに手を振ってみたら、文字が少し揺れたけど、消えない。空間に貼り付けられたまま!
パニックになりかけた時、茂みからガサガサ音が。出てきたのは、角の生えたウサギみたいなモンスター。サイズは小型犬くらいで、目が赤く光ってる。
[敵出現: ホーンビースト Lv.2]
HP: 50/50
戦闘シーンが始まった!? いや、待て、俺は何もしてないのに、周囲の空気が歪んで、赤いグリッドみたいなものが地面に広がる。まるでアリーナだ。ホーンビーストが飛びかかってくる!
「うわぁぁ!」
俺の叫び声が、また空間に貼り付く。今回は赤い文字で、戦闘モードだからかエフェクト付き。ホーンビーストの角が俺の腕をかすめて、血が出る。
[ダメージ: 15]
HP: 85/100
数字が俺の腕に浮かんで、ジリジリ燃えるように表示されてる! 痛い、痛いけど、視覚的に「15」の赤い数字が空間に残って、ホーンビーストの軌跡と一緒に貼り付いてる。戦闘シーン全体が、止まったフレームみたいに固定されてるんだ!
「くそ、逃げろ俺!」
必死で木の陰に隠れるけど、ステータスが更新される。
[アクション: 逃走失敗]
敏捷性不足
文字が俺の背中にベッタリ。ホーンビーストが再び突進してくる。ヤバい、このままじゃ死ぬ! でも、武器なし、スキルなし。どうすりゃいいんだよ!
その時、頭の中に声が響いた。——いや、響いてない。空間に浮かぶ白いテキストだ。
[システムメッセージ: 転生ボーナススキル発動 - “空間固定” を習得しました。効果: すべてのイベントを視覚的に空間に固定。利用して戦え。]
「空間固定? それって……」
悟った。俺のスキルは、このクソみたいな視覚効果そのもの! 試しに、ホーンビーストの突進を「固定」してみる。心の中で「止まれ!」って念じたら——
[スキル発動: 空間固定]
ホーンビーストの体が、ピタッと空中で止まる! 角が俺の胸スレスレで固定されて、時間停止みたい。いや、時間は流れてるけど、モンスターの動きだけが空間に貼り付けられた状態。俺はゆっくり後退して、石を拾う。
「これで……いける!」
石を投げつける。ガツン! 固定された体に直撃。
[クリティカルヒット: ダメージ 30]
ホーンビースト HP: 20/50
数字が爆発エフェクト付きで空間に飛び散り、貼り付く。固定が解けると、ホーンビーストがよろめいて倒れる。
[勝利! 経験値 +50]
レベルアップ: Lv.1 → Lv.3
新スキル: “固定斬撃” を獲得
戦闘シーン全体が、森の木々にベッタリ貼り付いたまま。俺の叫び声、ダメージ数字、モンスターの軌跡……全部がアートインスタレーションみたいに残ってる。消えないんだ、これ。
「はは……異世界、来ちまったか。しかも、こんなバグった視界で」
文字がまた浮かぶ。ため息混じりで。
森を抜けると、小さな村が見えた。中世ヨーロッパ風の家屋で、農民みたいな人たちが歩いてる。俺はステータスを隠そうとしたけど、無理。歩くたびに足元に「移動中」の文字が貼り付いて、村人たちがチラチラ見てくる。
「え、冒険者さん? あんたの後ろに変な文字が……」
村の少女が指差す。俺の背中には、さっきの戦闘の残骸——「勝利!」の文字がくっついたまま!
「これ? あー、気にしないで。異世界の呪いみたいなもんさ」
会話の吹き出しが、少女の頭上に浮かぶ。普通の人は見えないのか? いや、少女の目が点になってる。見えてる!
「わ、わ、私の言葉も浮かんでる! 魔法使いさん?」
パニックの連鎖。村中がざわつき、村長らしきおっさんが駆け寄る。
[イベント: 村の歓迎]
クエスト: 村を魔物から守れ。報酬: 宿泊+情報
ステータスが自動でポップアップ。村長のセリフも空間に貼り付いて、みんなの頭上に吹き出しが乱舞。カオスだ。
「落ち着けみんな! 俺はただの転生者だよ。ところで、この世界のこと教えてくれ」
説明を聞く。この異世界は「ビジュアル・マジック」の世界で、言葉や行動が空間に「固定」されるのが普通らしい。でも、俺のスキルは超強化版。みんなの固定は数秒で消えるけど、俺のは永遠に残るんだと。
「それ、便利だけど面倒くさそうだな……」
文字が村の広場にデカデカ貼り付く。村人たちが笑い出す。「冒険者さん、面白い人だ!」
夜、宿で考える。このスキル、戦闘以外でも使えそう。明日、近くのダンジョンに行ってみるか。
[新クエスト: ダンジョン探索]
警告: 固定された罠に注意
ダンジョンに入ると、ゴブリンみたいな敵が群れで襲ってくる。
「来いよ、雑魚ども!」
挑発が壁に貼り付く。攻撃軌跡固定で回避し、固定斬撃で斬る!
[コンボ: ダメージ 45 x 3]
全滅!
後ろから足音。美少女エルフが立ってる。
「すごい……あなたの戦いが、空間に残ってる。まるで芸術だわ。私も冒険者よ。一緒に組まない?」
彼女——リリアの言葉が浮かぶ。スキル「幻影固定」。相性抜群!
「いいね、パーティー結成だ!」
リリアとダンジョン奥へ。巨大ボス、影竜ヴォルド Lv.15。
「でかっ!」
叫びが鱗に貼り付く。リリア吹き飛ばされ、ダメージ28固定。
「空間固定、発動!」
巨体ピタリ。斬り込み!
[クリティカル: 120]
HP: 980/1100
連続固定で半分削るが、MP尽きブレス直撃!
[大ダメージ: 80]
HP: 20/140
[警告: 視界混濁]
リリアの幻影で助かり、最後固定でトドメ。
[勝利! +500 EXP]
Lv.3→8
新スキル: 固定解放爆発
「チートだけど油断禁物だな」
リリア笑う。「空間汚れちゃったわね」
ギルド到着。冒険者たちが水晶球スクリーンを囲む。ダンジョン戦が公開投影されるらしい。
「俺のスキル、見えちゃうんじゃ……」
受付姉ちゃん「影竜戦観戦したわよ! 神業!」
[イベント: 公開クエスト]
深層ダンジョン - 炎の守護者討伐
報酬: 金貨1000 + 名声
注意: 全中継
「拒否できないのかよ……」
観衆歓声。「固定ショー見せて!」
深層。フレイムゴーレム Lv.18。
「熱っ!」
セリフがスクリーンに。リリア「集中よ!」
炎拳飛来。
「空間固定!」
拳ピタリ。コア斬り!
[クリティカル: 150]
HP: 950/1100
ギルド大興奮。だが反撃爆発!
[バックラッシュ: 40]
HP: 100/140
「ぐあっ!」叫び同時貼り付け。声援エコー。
視界残像カオス。リリア幻影援護。
「みんな見てる前で負けらんねぇ!」
MP全振り大固定。連続斬り!
[解放爆発: 900]
HP: 0
[勝利! +800 EXP]
Lv.8→12
タイトル: 公開英雄
ギルド祭り。「太郎様!」リリア「有名人ね」
スパイ呟き貼り付く。「秘密盗む価値あり」
「次はプライベートモードか……」
祭り後、路地裏逃げ込み。
「リリア、このスキルプライベート無しだろ。心の声まで漏れ……」
セリフ壁に。残像「リリア可愛い……」チラリ。リリア赤面。
「あなたの声、ギルドで聞こえてたのよ! 『リリアの弓、エロ……』?」
「違う! バグだ!」
パニック文字埋め尽くす。冒険者野次「恋バナかよ!」
[デバフ: プライベート漏出 MAX]
効果: 思考・行動周囲3m固定。解除: 新スキル
「精神崩壊だ。司書に相談」
司書「永遠固定の呪い。固定封印の秘伝書、王都禁断ダンジョンに」
[クエスト: プライベート奪還]
場所: 王都地下
報酬: 進化 + モード解禁
リスク: 王族バレ
リリア「私も行くわ。秘密守る!」
馬車中「リリアの隣、落ち着く……」天井貼り。リリアクスクス「嬉しいけど恥ずかしい」
王都到着。衛兵「戦闘ビジョン王宮話題! 陛下観戦!」
「プライベート無しで王宮!?」
リリア幻影カバー「ダンジョン直行!」
地下。シャドウガーディアン Lv.20。触手襲来、中継「陛下観戦中」。
「空間固定!」
触手固定、リリア援護コア破壊。
[勝利! +1000 EXP]
アイテム: 固定封印巻物
読み込み。
[アップ: 空間固定 → 選択固定]
効果: 任意固定/非表示。プライベート解禁!
テスト。「リリア、好きだよ」——心の中だけ。リリア微笑「私もよ。でも王宮招待、断れないかも」
翌朝招待状。壁に貼り付くが、心ツッコミ漏れず。
「太郎、王宮よ! 拒否したら追放」
リリア目心配げ。昨日の心声、どう察した? エルフの勘か。
「わかった。一緒に。非表示モードで」
[イベント: 謁見]
実演依頼。報酬: 支援
リスク: 心漏れスキャンダル
謁見室豪華。王「模擬戦で固定見せよ!」
相手ロイヤルガーディアン Lv.25。壁巨大クォーツ、王族限定中継。
「選択固定オンリー!」
剣閃。
[閃光斬: 70予告]
「固定! 非表示」
軌跡固定、無表示。カウンター!
[クリティカル: 200]
HP: 300/500
王拍手「目に見えぬ固定!」リリアガッツ。
MP激減。心「リリア笑顔、癒される……」チラ浮上! 漏れ!?
回避抑え、トドメ。
[勝利! +1200 EXP]
Lv.12→15
新スキル: 心固定ガード - 心ブロック
王「任命する! ……心の声チラリ。『リリアの笑顔』とは?」
「は!?」リリア赤! 王宮クスクス。
リリア袖掴「後で話すわ。私も心でいつも……」
ブロック。プライベート手に入った……かも。
模擬戦後、ローブ着せ拍手。リリア視線熱い。心漏れず。王気のせい。
「太郎、よくやった。心から見えたわ」
耳元柔らか。瞳輝く。エルフの目か。
[就任イベント]
特典: ラボ + クエスト
注意: リリア視線?
ラボ研究。巻物基にアップデート。
「リリア、呪文どう? 範囲広げ味方カバー」
セリフ本に。リリア指なぞ「いいわ。あなた優しい」
心「リリア指、綺麗……」ガード! なのに頰赤。偶然?
侍女「陛下お呼び。試練準備」
[クエスト: 守護試練]
幻影魔王召喚 - 全員観戦
報酬: 究極スキル + 信頼
リスク: 心弱さ露呈
召喚室。王貴族囲む。中継開始。
「いくぜ、リリア!」
幻影魔王 Lv.30。触手無数。
[影縛り: 100 x複数]
「固定! 非表示触手止めて!」
ピタリ。リリア幻影連携。斬り!
[コンボ: 350]
HP: 650/1000
王感嘆。MP減心「疲れた……リリア守って」ガードオン。
リリア背中押「大丈夫。私いるわ」優しい。どう分かった?
リリア弓光。
[特殊: 心絆 +50 (秘密)]
魔王咆哮影包む。
「来るな!」心「リリア助けて……好きだ」ガード?
リリア飛び込みカバー。微笑。読んでる?
[最終: 解放爆発 700! HP:0]
[勝利! +2000 EXP]
Lv.15→20
新スキル: 絆固定 - リンク強化
王「絆完璧!」貴族囁「心通じ合ってる」
リリア耳打ち「あなたの心素敵。秘密だけど、エルフの力で守ってるわ」
「心読めてた!?」指唇「しーっ」。誰にも秘密。
「マジで?」笑顔「あなただけにね」空間無、心繋がる。絆が真チート。
陰影「エルフ秘密……利用」トラブル予感。
(To Be Continued)