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57話 害虫駆除

もうだめだ

 

 オバさんとGの戦いは最終局面を迎える。


 魔力の塊で水に落ちた使者を押さえつける、あの質量を魔力で押さえつけるアンジェリカがどれだけ規格外かがわかる。

 アンジェリカの魔法から逃れようとする使者、押さえつけるオバさん。


「アジャルタさん、本当にあの人何者なんだ?」

「わかんない」


 ゼノリノは待ち人を避難させた辺りから、アンジェリカの様子を見ていた。

 そう、もはや誰も手出しができるような状況ではなかった。

 アンジェリカの額に汗が浮かぶ、今までぶっ通しで活動していたし歳もあるためかキツそうである。


「丈夫ねぇ……流石にオバさんもこれ以上は付き合いきれないわよー」


 それでも、まだ軽口が叩けるところが凄い。


 ――

 ――――


 アンジェリカと使者の我慢比べが始まる前、城で実にどうでもいいやり取りが行われていた。


「さっさと、飛竜を用意せい!」


 国王の声が場内に響き渡る。

 大臣たちが慌てふためき兵士が走る。


「何も王自ら向かわなくともよいのではないでしょうか?」

「ええい、何を申すか! 街の者達が頑張っておるのに、国王であるワシがこんな場所で安全にぬくぬくとしておる場合ではないわ!」


 大臣たちは頭を抱える。

 しかしこの王様言い出したら聞きやしない、大臣たちの心配なんて何のそのである。


「そもそも、彼等が失敗したらこの国どころか大陸中が滅ぶわい!」

「そ、そうかもしれませんが」


 もっともらしい事を言うから困る。


「王族用の飛竜ならばあの港町まですぐではないか!」

「しかし、アレは国の危機が訪れた時用であって……」

「いや、待て国どころか世界の危機であるぞ?」


 どうやら、国王は自ら現場を見たいようであった、実に迷惑な話だ。しかも大臣も何か言ってる事滅茶苦茶だし、コイツラ何緊急時に漫才してるんだ?


「いいから用意せい! これは命令じゃ」

「わ、わかりましたー」


 と、実にどうでもいいやり取りが城で行われているのであった。


 ――

 ――――


 アンジェリカが使者を魔力で押さえつけ出してから、数十分が経過していた。

 アンジェリカの顔が青くなりだしていた、流石に魔力に限界が来ているようであった、ただし使者の方の抵抗も弱くなっておりバタつかせていた脚もぐったりとしている。


「ど、どうやら、あと少しのようね」


 ――

 ――――


 そして、また一方助産院では。

 チェイニーが完全に産気づいていた、ただ状況が状況だったので助産婦たちもどうしていいか右往左往していた。

 しかし、産婆が助産婦たちに喝を入れる。


「こうなったら覚悟を決めるよ! 外がどうなっていようが私達の仕事は一つさ!」


 この作品のババアは勇ましいババアが多い。


「よし! 準備開始だ、外では騎士団や町の人達が頑張ってるし、なんたってチェイニーの義母のアジャルタさんが頑張ってるんだ、あの人の良いオバちゃんを信じて私達も仕事に専念するよ!」

「「わ、わかりました!」」


 こうしてチェイニーと助産院のメンバーの戦いが始まったのであった。

 実はビレシワの使者復活からそこまで時間かかって無いんだ……


 ――

 ―――


 と、まあ、助産院でも動きがあったころ状況は動いていた。

 そう、ついにビレシワの使者が動かなくなっていたのであった、これの意味することは一つ。


「や、やっと、動かなくなったね。オバさんの勝ちってことね……」


 オンジェリカが魔力の玉を消した。一瞬の静寂の後で大歓声が巻き起こる。


「さ、流石に。オバ……オバさんも限界よ……」


 アンジェリカが釣り竿の上から落ちる。


「アジャルタさん! やったっすねー!」


 マーシャが急いで駆け寄りアンジェリカをキャッチする。


「ナイスキャッチよマーシャちゃん」


 アンジェリカは親指を立ててマーシャに答える。

 貯水湖に浮かんでいた使者の死体が徐々に霞のようになって消えていく、すると白いモヤのような物が発生した。

 ヴィヴィアンがぞれを確認すると像を構える。


「そ、そのモヤが、ビ、ビレシワの魂!」


 ヴィヴィアンが叫ぶ。すると歓声がピタりと止んだ。

 静寂の中でヴィヴィアンが呪文を唱えだした」


「カネ ノコヌシロ ン ヘエズレ!」


 像が光を放つ、すると像が二つに割れる、するとその中から蛙みたいなもう一つの像が出現する。

 その像が舌を伸ばすと白いモヤを捕まえた。

 そして……食べた。


「な、なんですか! その封じ方! 蛙がモヤ食べちゃったじゃないですか!」


 ヴィヴィアんの補助をしていたルーシアが叫んだ。

 しかし、ヴィヴィアンは一仕事終えたような表情で宣言する。


「こ、これにてビレシワの封印は完了」


 そしてまた歓声が鳴り響くのだった。

 こうして長い一日が終わりを告げようとしていた。


 次回は『事の終わり1』でございます。

G死〇

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