表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染との同居生活  作者: 鳴子
付き合ってからのお話と、聡太と有紗

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/83

聡太編〜圭人の説得〜

少なめ

 山吹聡太は、結衣の家へと向かう道を、全速力で走っていた。

 聡太の心の中にはずっと強い気持ちを秘めていた。


***


「圭人。俺を殴れ!」


 俺はそう目の前にいる圭人に向かって言った。

 圭人はいきなりの事で動揺していたが、すぐに取り戻して


「ど、どうしたんだ……。いきなり」


 と、言ってきた。


「言っただろ、お前。前に俺を説得する時に一発殴るって。だから今が一番いいと思った」

「確かに言ったけど。本当に良いのか?」

「当たり前だ。俺はもう逃げたくない。何に対しても。——だから俺は変わらなくちゃいけないんだ。お前に殴られる事はその一歩に繋がるかもしれない」


 俺は出てきた言葉を淡々と紡いで言った。変になってないかと心配したが、ちゃんと通じたようだ。圭人が「しょうがないな」と言うような顔でこちらを向いた。


「歯食いしばれ!」

「おう」


 そして圭人はちゃんと殴ってきた。

 しかし、全く痛くなかった。普通に触られたのかと思うくらいに。


「おい!」

「殴るのは後からでもできる。お前は今から有紗さんのお父さんのところに行くんだ。そんな奴が顔にあざをつけてどうする」


 俺は冷静さを失っていたみたいだ。


「…………」


 俺は圭人に諭されて、顔を下に向けた。


「お前はこの世界の誰よりも有紗さんを愛しているし、有紗さんに愛されてるんだ。その気持ちを、有紗さんのお父さんにぶつけるんだよ」

 その語りかけるような言葉に、俺は圭人に背中を押してもらっているような気持ちになった。

 俺は一度深呼吸をしてから


「圭人にそう言われる日が来るなんてな。何か良い気持ちはしねえけど一応感謝しとくよ。ありがとな」


 と、いつも通りの表情で圭人に話しかけた。

 その様子を見た圭人はクスリと笑ってから


「生意気言うな」


 と、俺の額にデコピンを喰らわしてきた。


「いてっ。俺の顔にあざつけないんじゃなかったのかよー」

「こんなんじゃつかねえよ。——じゃあ行ってこい」

「ああ、行ってくる。なんだかんだで助かったよ」


 俺が再度お礼を言うと、


「それを言うのは全部終わってからにしてくれ」


 と、返してから、俺の背中を押してきた。次は物理的に。


「じゃあな」

「ああ」


 そう別れを告げて、俺は圭人の家を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ