有紗の大作戦!
「何すると思う?」
「うーん。仕掛けるとしたらご飯食べてる途中だよな」
俺たちは有紗さんが何をするかを当てようとしていた。
「でも有紗ちゃんに限って人がいる状況で甘えないと思うけど」
「だよな。俺らに見られただけでも大分恥ずかしがってたし」
「考えても無理……かな?」
「難しそうだな」
うーん……。悩んでも仕方がないし、俺たちは二人をもう一度、観察する事にした。
『何食べる?』
『うーん……。そうだなー。——じゃあ俺はこのピザにするよ』
『聡太ってピザほんとに好きだよね』
『まぁ、美味しいし、でもそう言うお前こそ海鮮丼とか選ぶんだろ?』
『う……。まぁ正解だけど』
『そこは昔から変わらないよな』
『そうね』
取り敢えず、二人は何を食べるかを決めていた。
「まぁ取り敢えず、俺たちも何食べるか決めるか」
「うん。じゃあ私はオムライスにしようかな」
「じゃあ俺はカツ丼にしようか」
食べる物が決まり店員さんを呼んで注文した。
その後はまた観察する事を再開した。
『ねえねえ、聡太』
『うん? どうした?』
『聡太ってさ変わってない部分も沢山ある一方で、変わったところも沢山あるわよね』
『それはお互い様だと思うけど。俺のこと心配しすぎなんだよな。有紗は』
『うーん……。そういうつもりは無いんだけどね』
『無意識なんじゃねえの』
『そういう物なのかしらね。——じゃあ私は今から意識して変わるわよ』
『うん? どういう意味だ?』
有紗さんが何かを仕掛けるみたいだ。これは要注意して見ないといけないな。
『私、今から聡太を惚れさせるわよ』
『はぁ! 何言ってんだ?』
『何を言ってるも何もそのままの意味よ』
この事が本当なら、聡太は有紗さんに惚れてないって事なのかな。そう思っていると聡太が言葉を返していた。
『俺は元から有紗には惚れてるぞ』
『だからこそよ。惚れてる女に甘えられたら、もうデレデレになってもおかしい事じゃ無いのよ』
『まぁ、そりゃあな』
『それに、私は昔みたいによく顔に出る聡太の方が好きなのよね。もちろん今も好きだけど。弄りがいがあったし』
『そんなこと言われて昔に戻ると?』
『あはは。まぁ私の手にかかればイチコロよ』
有紗さんが言った言葉を聞いた聡太は少し頭を抱えて、決心したように言った。
『でもあの時のことが、どうしても……な』
『そう言うと思ってたわよ。それは後々にでも対策を考えるから。安心して』
『有紗がそこまで言うなら信じてみるか』
『まかせて頂戴』
そんな会話をしていると、二人の机に料理が運び込まれた。
そしてすぐに俺たちの机にも料理が運ばれた。
「あの二人……何かありそうだね」
「ああ、俺たちも色々あいつらにお世話になったし、力になってやれたらいいよな」
「そうだね」
今思い出したけど、俺あの時のことまだ結衣に言ってなかったや。
「そういえばさ。中学時代の話、聡太にしたんだけどよかったか?」
「そうなんだ! ……。でも聡太くんなら大丈夫だよ。じゃあそろそろ私も有紗ちゃんに話した方がいいかな?」
「それは自分のペースでいいと思うぞ」
「うん。ありがと」
取り敢えず、ここでこの話は終わり、聞き耳を立てながらご飯を食べることにした。




