幼馴染と家に帰ってくる
「はぁー、やっと家に帰ってきたよー」
「疲れすぎだろ」
「だって……ずっと歩きっぱなしだったんだもん」
「まぁ、確かにな」
そんな会話をしていると、ドアが「ガチャッ」と開く音がした。
「結衣ちゃん。ちょっと説明してもらおうかしら」
「圭人。お前もな」
なんと家に、有紗さんと聡太が入って来たのだった。
「で、なんで結衣ちゃんの家に圭人くんが入ってるのかな」
や、やばい! なんとかして誤魔化さないと。
「え、えっと……。そう! 結衣を家まで送ってたんだよ」
「それでなんで家に入る必要があるんだ?」
「うっ!」
俺の言い分に聡太がすぐに反論して来た。
「えっと……。ちょっと家でゆっくりしてもらおうって思って」
結衣がフォローに入って来てくれた。ナイスだ!
「もう、八時近くになるわよ。早く帰った方がいい時間帯よ」
「うっ!」
結衣も論破されてしまった。
「(どうする?)」
「(この二人ならバレてもいいと思うんだよ)」
俺たちはコソコソと耳元で話し合った結果一つの結論に行き着いた。
もうこの二人だけにはバラしてしまおうということだ。
ここ一ヶ月近くでこの二人のことは信用できるって思ったしな。
「今から本当のことを話すけど、絶対に誰にも言ったらダメだぞ」
「ええ、分かったわ」
「分かった」
そして俺と結衣は交代しながら話、全てを話し終わった。
「何それ……。驚きすぎてちょっと何言っていいか分からないんだけど」
「何かはあると思ってたけどまさかここまでとはな。でも面白いじゃねえか」
そう言って聡太は笑った。そして聡太は気づいたように言った。
「ああ、だから俺が家に行くの断ったのか」
「まぁ、そういうことだな」
「じゃあ今度からはもっとここに来てもいいよな」
「うーん……。そうなるのかな」
まあ別に来ても問題ないよな。バレてるんだったら。
「明日もう一回ここに来てもいい?」
俺が聡太と話し終わると、有紗さんがそう言った。
「いろいろ聞きたいことがあるけど、もう時間も遅いし」
「うん。全然大丈夫だよ」
「じゃあ俺たちは帰るか」
「そうね。じゃあまた明日」
聡太と有紗さんが帰る前に一つだけ聞きたいことがあったため、引き留めた。
「なぁ、一つだけ聞いてもいいか?」
「ええ、大丈夫よ」
「俺たちをつけて来たんだよな?」
「ああ、いろいろ見れて楽しかったぞ」
それはちょっとうざいけど、まあしょうがないだろう。
「どこからついて来てたんだ?」
「えーっと……映画館から出て来たくらいかしら」
「一回クレープを食べてる時に、ばれそうになった時があったしな」
「ああ、あの時の音は二人のだったのか。——引き留めてごめんな。じゃ、また明日」
「はーい」
「じゃあな」
この話が終わり二人はこの家から出て行った。
それにしても、そんな最初の方から付けられていたのに、気づかないなんてやばいな。
「じゃあ俺たちもお風呂入って寝るか」
「うんそうだね」
今日は本当に大変な一日だったよ。特に二人にバレたからな。でもこれからは隠さなくていいのは、楽でいいな。




