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幼馴染との同居生活  作者: 鳴子
幼馴染との学校生活
19/83

幼馴染とデート2

「じゃあ行こー」

「おう」


 次の日になり、俺たちは遊びに出かけた。


「って言っても、どこに行くの?」

「うーん……。映画とか?」

「あ! それなら私気になってる映画あるからそれを観ない?」

「いいぞー。何の映画なんだ?」

「うーん……。それは行ってからのお楽しみで」

「はーい」


 俺たちは映画館へと向かった。結衣はどんな映画が気になっているんだろう、そんな事を思いながら映画館へと向かった。


「着いたよー」

「で、何を観るんだ?」

「まぁまぁ、落ち着いて」


 そう言って結衣は映画の券を買いに行った。


「買ってきたよー」

「ああ、ありがとう。——ホラー映画か?」

「そうだよ……」

「結衣ってホラー映画苦手じゃなかったっけ?」

「い、いやー……。そんな事ないよ……」


 結衣はそう言ったが足が震えていた。何を考えているのかは分からなかった。


「と、とりあえず行こー」

「無理しなくてもいいんだぞ」

「無理じゃないよー」


 どこから見ても無理をしているようにしか見えないけど……。そんな事を思いながらスクリーンへと向かった。


「きゃー!」


 映画館の色んなところでそんな声が聞こえてくる。俺はこういうのは好きだから、そこまで驚くことはなかった。でも


「なあ、ちょっと痛いんだが」


 結衣に片腕をガッチリ掴まれていた。胸が当たっているのにも、お構いなしに。こういうところは気にして欲しいんだけど。

 しかも俺がそう言うと、とても目をうるうるさせながらこっちを見てくる。「離したくない!」みたいな願望の顔で。

 その状態が軽く一時間くらい続いた。もうとっくに腕が痺れて感覚がなくなっていたけれど、どんな場面でも頼られるのは、嬉しいもんだよな。


「やっと、終わったー」


 映画館から出た結衣は疲れ切った顔でそう言った。


「そんなしんどいなら、ホラー映画見なかったらよかったんじゃ……」

「し、しんどくないよ!」

「それなら俺の腕をずっと掴んでたのは何故かな?」

「つ、掴んでないよー。き、気のせいだって。……多分」


 そう誤魔化す結衣は、とても焦っていた。それに誤魔化す必要なんてないのに。


「俺の腕にびっしり跡がついてるんだよなー」


 誤魔化したところで一時間くらいも掴まれていたら、跡もつくからバレバレなんだよな。


「うう……。ごめんねけいくん。嫌だった?」

「嫌、じゃないけど」


 そんな結衣の顔を見ているとなんだか、許してしまう。やっぱり結衣には甘いのかな。


 俺たちは映画館を出て少し歩いていた。どこに行くか迷いながら。


「じゃあ次はどこに行く?」

「うーん。あ! あそこにクレープがあるじゃん。食べようよー」


 そう言って結衣が指差した方向を見てみると、クレープ屋の屋台があった。


「良いぞ。近くにベンチもあるみたいだし、そこで食べるか」

「うん!」


 そして俺たちはそれぞれ、結衣がイチゴ、俺がバナナのクレープを頼みベンチへと座った。


「うーん、美味しー」

「だな」

「けいくんのも一口頂戴」

「ああ、いいぞ」


 結衣に俺が持っているクレープを近づけ、それを結衣が食べた。


「うん。美味しいね。私のもいる?」


 そう言って結衣は首を傾げながら、クレープを俺の目の前に持ってきた。


「い、いや大丈夫だ」

「そう? 美味しいのに」


 結衣にクレープをあげてから気づいたけど、これって間接キスになるんじゃないか、と思ってしまった。

 だから俺は結衣のクレープは食べなかった。


 そんな風に楽しくしていると後ろの茂みから「ガサッ」と少し音がした。気になり見てみると、何もなかったから、気のせいかなと思ってそのままスルーした。


「ふぅ。疲れたよー」


 クレープを食べた後からずっと歩きっぱなしだったからな。


「じゃあそろそろ帰るか」

「だね」


 俺たちはゴールデンウィーク一日目を楽しく遊び、家に帰ることにした。

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