幼馴染と新生活
「…………」
「…………」
俺たちは驚きすぎてお互いに固まっていた。
それは仕方がない事だろう。
なんせ、今日から住むことになったマンションの一部屋に、着替えている幼馴染が居るんだからな。
(小さい頃より育ったなぁ。でも胸は……)
そんな失礼な事を思っていると
「けいくんの……ばかー!」
と言われ、そこら中の物を投げつけられた。
「ご、ごめんなさーい!」
俺はひとまず部屋の扉を閉めた。
(なんでこんなことに……)
せっかく今日から新しい生活が始まると思っていたのに。
***
「それじゃあ、行って来るよ」
「はーい。ちゃんとご飯食べるのよ」
「分かってるよ」
「ちゃんと歯を磨くのよ」
「分かってるよ」
「えっとそれから——」
「もう良いよ! じゃあ行ってきます」
「ああまだ言うことが……。まあ良いか、気をつけてねー」
俺は母さんの話を遮って出発した。ああなった母さんは長いからな。
それにしても親って心配性だよな。別に一生の別れってわけでもないのに、色々言って来るもんな。
でも、そのおかげで助かることもあるし、感謝してるけどな。
俺、佐々木圭人は、親に別れを告げて、念願の一人暮らしを始めることになった。
高校は知っている人がほとんどいない学校を選んだ。そのため、家からは通えない距離になってしまった。
だからマンションの一室を借りて一人暮らしをする事になったのだ。
これからどんなことがあるのか楽しみだ。
知っている人が少ない学校を選んだのも、心機一転して高校生活を送りたかったからだ。
中学時代は色々あったからな……。
高校はどんな生活になるか楽しみだ。
そんな期待を胸にこのマンションまで来たのだ。
これからお願いします!