第六章 思ってたのと違う位が僕にはお似合いだと思う
どーも!統星です!
なんとか新規のお話を投稿できました!
ようやく構想もまとまってきたので本格的に物語を進めていけそうです!
最近寒さが増してきたので、更新ペースが落ちるかも知れませんが
ご理解のほどお願いします。
では本編をお楽しみくださいませ!
「お待たせしました。雅斗先輩」
「大丈夫だよ。」
「ここじゃ何ですし、場所を移しましょうか」
確かに、このままだとまた憐がくるだろうしね。
「りょうかい」
そして場所は図書室へ。
「雅斗先輩、あの、折り入ってお話があります……」
「な、何かな?」
「す、すごく恥ずかしいんですけど……実は私…」
来た! 顔が熱い。心臓が、脈打つ速度をあげる。それに同調するように呼吸が僅かに乱れ、頭もうまく回らない。今まで感じたことのない感覚。告白を意識しただけで人ってこんなにドキドキするの!? すげぇな人の体! 落ち着け僕。相手の気持ちを真っ直ぐ受け止めて、誠意を持って返事をしよう。よし! 来い!
「和先輩の事が好きなんです!」
「……え?」
今までの熱が一気に冷めていく。徐々に心臓の鼓動も本来の速度に戻り、思考回路が徐々に働き始める。ここでようやく彼女の言葉を理解した。
「な、なので、雅斗先輩には私と和先輩が仲良くなれるように、協力して欲しいんです!」
なるほど。つまりは、僕にこの後輩美少女と親友の仲を取り持ってほしいと。色々考えた末に僕はこう答えた。
「……わかった。協力するよ」
正直なところ期待はめっちゃしていました。思ってたのとは違うけど、しょうがないよね。こんな僕だもん。そりゃイケメンに惚れますよ。わかってましたよ……でも、よりにもよってカズか……これは叶わない恋を応援することになるな……
「ありがとうございます! じゃあ早速作戦会議です!」
この笑顔が後々泣き顔に変わると思うと、気が進まないけど協力すると言った以上は、出来ることはすべてやろう。せめて彼女が最後にちゃんとこの恋を諦められるように。
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作戦会議が始まった。ちなみに、場所は図書室から今度は爛の自宅に移動した。カズより先に僕がお邪魔してもいいのかな? まぁ細かいことは気にしないでおこう。
「まず、私とカズ先輩には接点がありません……」
「まぁ、学年が違うしね。」
「そこで、雅斗先輩にはどうにかして私とカズ先輩が接点を持てるような何かをお願いします!」
「アバウト過ぎない!? そもそも何かって何!?」
僕はそこまで都合のいい頭を持ってないんですけど!?
「ん〜、確かにそうですね……」
あ、でもこれならいいんじゃないかな? と思えるのが一つだけあるな。
「じゃあベターだけど、放課後一緒に帰るとかはどう?」
「!!」
「ちょうどカズの家は僕の家の近くだし、爛の家も僕の近所みたいだしね」
「素晴らしいです! 雅斗先輩ナイスアイデア!!」
我ながら素晴らしい何かだと思う。よく頑張った。
「じゃあ、早速明日の放課後から始めてみる?」
「い、いきなりですか!?」
流石に早いかな? せめて数日は学校で話す機会を作るべき?
「わかりました。私、頑張ります!」
おぉ、逞しいなこの子。
「そ、そっか! わかった! じゃあ今日の内にカズには話しておくから」
「雅斗先輩ありがとうございます!」
僕って、今すごくいい先輩してるよね? みんなもそう思うよね!?
「じゃあ僕はこの辺でそろそろ帰ろうかな」
「そうですね、外もだんだん暗くなってきましたし」
時計を見ればもう19時を回っていた。結構話し込んでいたみたいだ。
「玄関まで送りますね!」
「ありがとう」
「いえいえ。雅斗先輩には本当に感謝しているので」
感謝されるのはとても嬉しい。しかし、先のことを考えると、素直には喜べなかった。ちょっと話題を変えようかな……
「そういえば、妹さんは?」
その質問に、彼女の顔がわずかに暗くなり先程までの明るさがみるみる薄れていく。
「……部屋に、いると思います」
「そ、そっか!」
「ただ、最近はあまり話さないですね……」
「な、なんかごめんね……」
最後の最後に何をしてるんだよ僕は。こういう所が普通の僕のダメな部分だよな。
「と、とりあえずまた明日ね! カズと仲良くなれるように僕も精一杯協力するから!」
「……はい!」
なんとか彼女の顔に笑顔が戻る。今後この話題には触れないでおこう。そう心に誓って、僕は彼女の家を後にした。
ここに来てこういうオチ……まぁ大方予想通りというかなんというか。
次回以降は爛を中心にストーリーが展開していく予定ですのでお楽しみに!
余談ですが、気づいたらブックマークが増えてました!
ありがとうございます!! これからも応援とアドバイス等よろしくお願いします!
ではまた次のお話でノシ