第五章 昨日助けた女の子に僕の大事な〇〇を奪われました
どーも!統星です!
現在改稿を行っておりますので物語がかなり最初とは違ったテイストになっています。ですので、1話からもう一度読み直してくださると違いに気づけるかと思いますのでよろしくお願いします。では本編をお楽しみください。
弁当を食べ終えてトイレに向かおうと、教室を出ようとした時。
教室の入口の前に一人の女子生徒が立っていた。制服のリボンの色からして、僕の一つ下。その女の子には見覚えがあった。
「昨日は本当にありがとうございました!」
そう言って彼女は僕に向かってお礼を言いそのまま軽くお辞儀をした。僕が出てくるのを待っていたのか。しかし、お辞儀をしたタイミングで、第一ボタンが外れ、制服の胸元から谷間がチラリズム。思わぬハプニングに多少ドキッとしたが、それを悟られないよう、笑顔で声をかける。
「いいよ。あのくらい。むしろ見つかってよかったね」
決まった。これなら僕の下心を悟られることは無――
「雅斗、何でニヤニヤしてんの?」
ちょうど、先にトイレに行っていたカズが帰ってきた。余計な一言を添えて。
「おまっ!な、何を言ってるんだよ!?」
「あ、言っちゃマズかったか……? わりぃわりぃ」
わりぃわりぃじゃねんだよ! つか、悪いと思ってるならせめてもう少し悪びれた態度で謝れよ!まずい、バれたかな……?
「ところで先輩今日の放課後、お話したいことがあるんですけど……」
あれ? この流れスルーなの? 作った笑顔と放った台詞が無駄になったみたいで僕悲しいよ? まぁいい。とりあえず、このままだと色々やばいので。
「……見えてるよ」
お願いします。一言で通じてください……
「え?」
彼女はそのまま視線を自身の持つ双丘へと落とす。
途端に顔は真っ赤に染まり、目にはうっすら涙が。すぐにボタンを閉め、自分の胸を隠すように腕を寄せる。立派なものが更に立派に強調され、これはこれでまた色々とやばいんだけど……
「……見ました?」
「……いや、何も。」
がっつり拝ませていただきました。ありがとうございます!
「と、ところでさ、君、名前は?」
「話をすり替えようとしてます……?」
そ、そんなこと全然ないよ〜?
ん? なんかブツブツ呟いてるけど何を言っているのかまでは聞き取れない。
「……でもまぁ、昨日、名乗り忘れてましたしね」
寄せていた腕を下げ、コホンッと小さく咳払いをする。あ、かわいい。若干、立派な双丘が揺れる。素晴らしい。
「私の名前は、絢島爛と言います。」
おぉ、すごいな。名前を弄ると「絢爛」か。その姿はまさに豪華絢爛って感じで、本当に綺麗だな。昨日も思ったが相変わらず人形みたい。てか、僕の周りの人達、「名前を弄ると」シリーズ好きすぎじゃない? 作者さんの趣味ですか? そんな感想はさておき、相手が名乗ったのだから僕も。
「僕は諏藤雅斗。よろしくね」
「よろしくお願いします。雅斗先輩って呼んでいいですか?」
「好きに呼んでいいよ。僕も爛って呼ぶから。」
「わかりました」
キーン。コーン。カーン。コーン――。
ちょうど昼休みの予鈴のチャイムが鳴った。
「放課後また来ていいですか?」
「いいけど、どうして?」
「……秘密です。じゃあまた後で。」
そう言い残すと彼女は自分の教室へと足早に去っていった。彼女の去り際、気のせいか視線が合ったように思えた。
「もしかしたら、これは……」
こうして、僕は後輩美少女と知り合いになった。その後、カズには昨日あったことをきちんと説明しておいた。これが昼休みに起こったイベントの全容。結局、僕は本来の目的だったトイレに行けなかったが、その代わりに後輩美少女とお近づきになれた事に加えて、去り際の彼女の意味深な一言と、あの視線。
「あれ? あそこに居るのって……」
放課後、僕に何が待っているのか。「もしかしたら」を期待せずにはいられなかった。だから、この時カズが呟いていた事を確認しておくだけの余裕を僕は彼女に奪われてしまっていたんだ。
今回のお話は、一話分だったものを分割したものになります。新規のお話はこれの次のお話になりますのでお間違えなのいようお願いします。ただ、伏線やキャラの紹介等は変更をいくつか入れてありますのでご了承下さいませ。
また、今後も改稿は随時行っていく予定なのでご理解のほどお願いします。
ではこれからも私とこの作品をよろしくお願いします!