第一章 本日も平穏な日常が始まります。
どーも!統星です!
最近本格的な冬に突入したおかげで
冷え性に拍車がかかってきました…指が…痛い…。
まぁそんな私の話はさておき!
ようやくここから本編に突入します!
The普通男の雅斗の愛する平穏な日常は
これからどうなっていくのか!?
是非読んでいただければ嬉しいです!
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
「んんっ…」
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
「うぅん…」
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ! ピピピピピ…! ガチャッ!
寝ぼけ眼で今の時刻を確認。
「まだ…6時半か……。」
うるさい目覚ましの声を何とか黙らせたが、
またしても目の前の枕に顔を埋める。
「眠気と枕のダブルコンボに人類は勝てないのだ…うぅ……」
そう、呻くように呟き、掛け布団を被りトリプルコンボを決める。そして僕は再び夢の世界へと旅立った――。
「ねぇ、お兄ちゃん…起きて♡ もう……遅刻しちゃうよ?」
何やら耳元で天使の声が聞こえる気がするぞ?
甘くて、ゆるふわなその声は
優しく僕の耳の中を擽り、心地よさを与えてくれる。
その心地良さに身を委ねるように
さらに夢の世界の奥へ奥へと進んでいく僕の意識。
「いい加減にしないと、悪戯しちゃうぞっ♡」
あ、かわいい。何この声。
しかし、意識の心地よさとは裏腹に
何やら僕の身体が
乱暴に揺すられているような感覚を覚える。
ふと夢の世界の中で我に帰ってみる。
「あれ…さっきお兄ちゃんって言ってたけど、僕って妹なんか居なかったよな……?」
ここでようやく意識が身体へと戻り始める。
そして意識と身体の同期が完了し、起床。
まだ若干眠気が残っているため、瞼が重い。
開くのも面倒なので仕方なくそのまま起きようとする。
「んっ…っと…?」
しかし体を起こそうとしてるのに起き上がれない。
何かが僕の上に乗ってるのか…?考えてみれば重いな……
ダメだ。半覚醒状態のせいで頭が回らない。
「まだ眠いのに……何なんだ一体。」
「あ、やっと起きた〜♡」
あふぅ。耳が溶ける〜。幸せだ〜。
相変わらず甘くてゆるふわな天使の声。
でもこれ、誰なんだ一体。
お、目がちょっとずつ覚めてきたぞ。冷静に考えてみよう。
僕の家の家族構成は四人家族だったよな。
両親が居て、お姉ちゃんがいて、それから僕だ。
ん?お姉ちゃん…?
「まさか……」
重かった瞼がようやく開く。
「おっはよ〜♡ 朝ですよ〜♡」
目の前には天使が上に覆いかぶさる様な体勢で
僕の顔をニコニコ眺めていた。その顔を見て納得した。
やはり思った通り。今まで僕が天使と言っていた正体。
それは――僕の姉。諏藤千秋。僕の2つ上の20歳。
正直に言うとめちゃくちゃかわいい。
僕がシスコンって訳じゃないぞ!?
本当にかわいいんだよ。顔立ちはすごい整ってるし、
この地域では有名な難関大学に進学する程、頭もいいし。
何でこんな人が僕の姉なのか……。
って自分でも思うくらい完璧な姉なんだからな!
まぁ、ただ一点を除けば本当に完璧なんだけどね…
っといかん。これだと更にシスコン疑惑が浮上してしまう…!
それよりも早くこの天使、いや天使を降ろさないと。
「姉ちゃん。降りてくれない?」
「え〜♡ や〜だ♡ まだお兄ちゃんとくっついていたいもん♡」
「朝からそのテンションはきついって……」
「お兄ちゃん♡ ぎゅ〜♡」
「お兄ちゃんじゃないから。いい加減重いから降りてくれ。」
「重っ…! むぅ……仕方ないな〜……。」
渋々僕の上から降りる姉。両頬をぷくっと膨らませながら。
なんだその顔は。かわい過ぎる。反則だろ。
ただ、この顔はご機嫌斜めのサイン。
機嫌が良くない時の姉は本当にめんどくさい。
姉持ちの人なら共感してくれるんじゃないかな?
任務:姉の機嫌を回復せよ。
まぁ、こんなの簡単だ。毎朝の日課だしね。という訳で、
「言い忘れてた。おはよう。姉ちゃん。今日も起こしてくれてありがと。」
「…っ! うん♡ おはようマー君♡ どういたしまして♡ えへへっ♪」
はい。任務完了。
「とりあえずお腹減った。ご飯食べたい。」
「そーだね♡ お姉ちゃん手作り、愛情たっぷりの朝ご飯♡ 一緒に食べようね〜♡」
毎朝の恒例と言っても過言じゃないイベントを終え、
なんとか体の自由を取り戻した僕は朝食を摂るため姉と共に1階のリビングへ。
今日の朝食はハムとスクランブルエッグにトースト。それとコーヒー。朝のこの時間が一番ほっとするよね。
「マー君、マー君」
バーター染み染みサクサクのパンにジューシーなハムを乗せ
その上からトロトロのスクランブルエッグを乗せて口へ運ぶ。
「ねぇ〜。マー君、聞いてる〜?」
ハムの塩気と卵のまろやかさ。そこにサクトロの食感も相まって…美味い。朝から至福のひと時。更にコーヒーの香りが――
「もう〜! マー君ってば!」
「…何だよ!? こっちは今優雅に朝食をだな……」
「時間大丈夫なの??」
「……え?」
ここでようやく時計に目を向ける。
時刻は7時45分。遅刻ギリギリじゃねーか!
「うわっ! マジかよ!」
マッハで朝食を済ませそこからの僕はまさに神の領域。
10分とかからず支度を終えて――
「行ってきまーーーす!!」
「はーい♡ 行ってらっしゃーい♡」
即登校。走ればまだ間に合う時間だ。
「うぉぉおおおおお!!」
全速力で学校へと向かい、靴箱で靴を履き替え自分の教室へ。
ちょうど席に着いて一段落付いた頃SHRのチャイムが鳴った。
「ふぅ。間に合ったぁ。」
なんとか遅刻はせずに済んだな……
朝から全力ダッシュはマジでキツいっす。
ガラガラッ! ガラガラッ! ガタッ。
教室の扉が開いて一人の女性が入ってくる。
「はーい。皆さんおはようございます♪ 今日も1日元気よく頑張りましょうね♪」
またしてもゆるふわな天使ボイスが。本当に毎日幸せです。はい。
我がクラスの担任である冨和妃奈乃先生。
ゆるふわな声も充分癒しなのだが、ゆるふわショートボブに
整った顔立ち。身長は小柄だが、雰囲気も名前もふわふわしてるし、
おまけに今日はゆるふわなワンピースを身につけているから、
さながら本物の天使の様だ。
先程の全力ダッシュの疲れが嘘のように吹っ飛んだ気がする。
「先生、今日もゆるふわでかわいいっすね!」
ここで一人の男子生徒が先生に向かってちょっかいを出した。
っ! お前! それは俺が――
「き、教師をからかうのはダメですよ…恥ずかしいです……」
あ、かわいい。昇天する本当に。
顔を僅かに赤らめ、照れて出席簿で口元を隠す仕草がもうそれだけで殺人兵器である。守りたい。この天使。
とまぁこんな感じでまた僕の平穏な日常がスタートした。
だが、平穏というのは時に呆気なく終わりを告げるものだ。
僕がその事を知るのはまだ先の話だ。
ここまで読んで頂いて感謝します!
本当にありがとうございます!
今回はこれから始まる物語の鍵となる一日のスタートのお話。
今後の展開は手探りですが、なんとか頑張ります…!
ちなみに、投稿は今のところこのペースを維持したいと
思ってますが、場合によっては遅くなるかもなので
そこら辺はご了承くださいませ。
ではまた次のお話までノシ