勇者PTで調子乗る。3
「ドレスコードとかない?」
俺は王宮の客室で勇者装備?(白銀の鎧とかマントのキラキラ装備)を身に付けた勇者に聞いてみる。一応王様に会うんだろ? コートとかじゃなくてドレスとかの方が良いと思うんだが。
「うーん。戦士や冒険者の格好まで文句つけるような人じゃないから大丈夫だよ」
ならいいけど。こう、偉い人がいるって場所に来ると微妙に落ち着かないな。
客室を見回してみる。部屋の広さもそこそこあるし、やっぱり豪華だ。
「お前らは普通だな。って、ケビン! 人の家で寝転ぶな!」
「何言ってるでありますか? いつもの城と変わんないであります。広いだけで装飾なんかはいつものが良いであります」
「……語るに値しない……」
「だな、王宮と言うからどんなものかと思えば……そこらの中堅プレイヤーの間違いだろう」
ゲームではな! 中堅プレイヤーなら城買えたからな!
「時間だ。行くとしようか」
「おう」
勇者に連れられて到着したのは、謁見の間などの公式で使われる場ではなく、会議室のような机と椅子があるだけの場所だ。中に入ると見事におじさんだらけだな。言われるままに座ると、1人のおじさんが、各人の紹介をしていく。俺の紹介もされたぞ? 前衛ってだけだがな。名前はテキトウなの付けただけだが、無駄に長くて俺も覚えてない。あとケビンは場違いだな。荷物持ちって紹介はないわ……
「ふむ、カイ。綺麗な女性ばかり集めたな。だが実力に問題はないと聞いている。それにエルフを仲間にしたのは大きい。よくやった」
「ありがとうございます」
王様……オーラヤバいな……あとエルフだとなんかあるの? 後で聞いてみようかな。
「出発は準備もあるだろう。3日後だったな。国を挙げての見送りでもよかったのだが……情報は出来るだけ秘匿した方が良い。すまぬな。代わりと言っては何だが、討伐の暁には好きな褒美を取らせよう。何かあるか?」
ほぉ、褒美、何が良いかなー。
「僕は、もちろん姫と結婚させていただければ」
あ、姫いるのね? 綺麗なのかな? 好みなら俺が貰いたいところ。
「褒美などいらん」
フレイヤさん……
「おいしい物が食べたいであります!」
ケビン! お前は荷物持ちだからな! 何でもの褒美貰える役職じゃないと思うからな!
「……なんでもいい」
家の子たちは欲がないね? もっと強欲でいいんよ?
「あー、お金?」
これが俺だ……別に王様の雰囲気にビビってねぇからな! お金必要だし。アバター買うのにもね! で、そんな会議っていうか顔合わせ? みたいなのは、つつがなく終わって3日後の朝まで王宮でゆっくりすることになったんだが……
「なんか王様に俺だけ呼ばれたみたいなんだが……」
「なんだと!」
フレイヤがそれを聞いて声を上げた。もちろん部屋は男女別なので勇者はいない。1人部屋もできるらしいが、俺達は一緒が良いって言ったので同じ部屋だ。
「エロ王であります!」
「成敗してこよう!」
「……もぐ?」
やっぱそれ考えるよね? もぐのは勘弁してやれ…… マジかなー。あー。なんか気持ち悪くなってきた……でも、そうと決まったわけでもないし。
「まぁとりあえず行ってくるよ。王様ごときが俺相手でどうにかできるわけでもないしな!」
「そう言われればそうだな」
「強いでありますからな」
で、メイドさんに連れられて王様の執務室? まで行った。
「しつれいしますー」
中に入ると王様が1人で書類作業してた。……なんか普通に仕事できるおじさんだな。ちなみに王様なだけあってダンディなおじさんだ。髪の毛もあるしな! でも王様相手でも、爺やの方がカッコいいってのがなんだかな……まぁ俺のキャラメイクなんだが……
「来たか。そこのソファーに座っていなさい。今これを終わらせるのでな」
「はーい」
王様オーラも少し慣れてきた。俺はソファーにどっぷりと座って寛ぐ。暫くすると王様が向かいのソファーに座る。その頃にはメイドによって紅茶とクッキーがテーブルに出されていた。
「新鮮なクッキーらしいぞ。食べなさい」
何か言われるままクッキーを食べる。てか新鮮って何? 素材のことかな? うまいな。町で甘いもの買ってもそこまで甘くないんだけど、これは甘いな。やっぱり砂糖って高価なんだろうか。
「紅茶はまだいるか?」
「いる」
王様が俺の空の紅茶を持って行く。部屋の外のメイドに渡しているようだ。王様も意外と人任せじゃないのな。俺の紅茶だけど。
「王宮はどうだ?」
「んー。まぁ普通?」
「そ、そうか」
もうすでに俺の目には金持ちのおっさんにしか見えない。慣れって大事だよな。……あ、で俺に何の用?
そんな気持ちが顔に出ていたのか、王様のおっさんは話し出す。
「娘のことなんだが……」
「お姫様?」
「うむ、お主と同じぐらいの年齢だ」
はっ?
「勇者のやろう、ただのロリコンじゃん!」
俺が言えるようなことじゃないけど! でも、ダメだろそれ! 勇者のやろう、どう見ても18くらいはあるぞ? 年齢な。
「ん? それはなんだ?」
「気にするな」
あと、言葉使いも気にするな。面倒なんで
「構ってやれなかったせいでもあるだろうが……気難しく育ってしまってな……親しい同性の一人もおらん。勇者との結婚は認めているようだが、それもどうせ、魔王など倒せないからどうでもいいと思っているようでな……魔法には興味があるようだが……お主と、魔術師のアルファか、年齢も近そうだしな、出発まででいいから仲良くしてやってはくれぬか?」
普通のお父さんなのね。まぁお姫様と仲良くとか大歓迎だよ。OK、OK
「おう! まかしとけ!」
「……どんどん態度デカくなるなお主……まぁ頼む」
そしてやってきたのがお姫様の部屋だ。入っていいって許可はもらったし行くか。一応、人見知りかもしれないし、今回は一人で来てみた。俺優しい! 女の子にはな!
「入るぞー!」
勢いが大事だ。サクッと部屋の中に入る。おおう、黒いな……部屋自体はお姫様な感じなのだが、ところどころ黒い。例えばベットに付いてるカーテンみたいなの。名前なんて言うんだ? まぁそれが黒い。ベッドは奇麗な白なんだけどね。取り替えたな……あとテーブルとかも黒い。壁紙とかは普通なんだけどね。
「誰ですか? あ、 誰の許しをもらって入っているのでしょう」
俺の姿が子供だからか驚きはしても冷静だな。それにしても……
「可愛いなおい! 何そのドレス! 良い趣味じゃん! 可愛い!!」
「え? ありがとうございます……」
おいおい、金髪ゴスロリ幼女とか! 俺と被り過ぎぃー! でもお姫様は髪ロングだし、顔の作りは俺と違って、優しい感じだし(俺はキリッとしてるぜ!)いい感じに違い出てるよ! 2人でユニット組もうか!
「俺もドレスあれば見せたのにぃ! もったいない!」
「え、そのコートもかっこいいですわ」
「だろ?」
俺はコートを脱いでお姫様に見せる。
「この裏地見て? ほら、魔法陣が書いてあるの」
「まぁ! どんな効果が?」
「そんなもんない!」
「ないので?」
「でもカッコいいだろ?」
「かっこいい!」
お姫様、あれじゃん! 中二病なだけじゃん? それで友達出来なかったのかな? まぁいいや! 可愛いし!
「武器とか見る?」
「持ってきてるので?」
武器は王宮に入る前に普通は預ける。道具袋もな。
「道具袋みたいな魔法があるの秘密な」
ただの、アイテムボックスだけどな。
「はい。秘密ですね! 見たいです!」
「あー、一番カッコいいのは盾だからな……そこ大事」
「盾ですか?」
「あぁ、みて驚くなよ」
俺はいつもの剣と盾を出す。
「真っ赤! それに意匠がすごいです! かっこいい! 」
「勇者のと、どっちが良い?」
「こっち!」
「だろ! 良く分かってんな! 弟子にしてやる!」
「ありがとうございます! し、師匠!」
うんうん、可愛いお姫様に敬われる快感! 流石俺!




