プロローグ
な〜んで、ここに一人でいるかなぁ。遊園地の中を行き交う、家族連れや楽しそうなカップルを眺めながら考えることしばし、やっぱ、私が悪かったのか? それとも、彼のせいだったのか?
結局、どちらがどうとかの問題ではなくて、お互いのタイミングが悪かったと思うしかないよね。
彼とは、一年半付き合っていた と思う。社内恋愛を禁止されている会社でもなかったので、同僚とか上司も、結婚秒読み的な雰囲気で、結婚を意識して、お互いの両親ともお付き合いをしていた。
突然、彼の一言で終わりを告げるとは思っても見なかった。
『お前は一人でも、大丈夫だよ』って
『何のこと?』
『俺が、いなくても大丈夫ってこと』
『なんで、そんな事言うの?』
『 俺たち、別れよう。お前にとって、俺っていう存在が、必要無いように思えるんだ。』
それ以上、彼に問い詰めることもせず、あぁ、そうなんだ。って素直に受け止めて、冷静でいられる自分がいた。きっと、彼に対して、最大級の好きとか、愛しているという気持ちが無かったからなのだろうか?
気になる人ではあったけど、執着するほどのめり込んでいなかったのかな?
別れの後、彼は、すぐに他の女の子と結婚した。
地元の小さな会社の噂話はとてつもなく早く広がり、うちの両親まで耳にすることになり、居心地が悪くなって、都会に出ることにした。
結婚資金で貯めたお金もあったし、両親も世間体を気にして速攻同意! 援助も惜しまないとまで言われた。そんなに世間体が大事か?それでいいのか?と疑問に思いつつも、一人暮らしに憧れもあって、2LDKの中古マンションを探して、親を言いくるめて保証人に立てて購入した。自分のお城を手に入れたけれど、やっぱりまだ、吹っ切れていない自分がいて、しばらくは、貯金を切り崩して、学生時代の夏休みに近い怠惰な生活をすることに決めた。
どうせもう、あの街に戻るつもりも無い。
このチャンスに、やりたいことをかたっぱちからやってやる!
中学の修学旅行以来、都会なんて来たことが無いので、行きたかった場所に行って楽しんでいる。
今日は、某有名な遊園地に来た。
彼と行こうと約束していたその場所に。
初めて作品を投稿します。至らないところも多くあると思いますが、読んでいただく皆さんに楽しんでいただけるよう、日々努力していきたいと思います。
また、隔週で、投稿できるように時間を作って完成させたいと思います。
暖かい目で、見守ってくださいね!
よろしくお願いします。