・幻想入り
「いててててっ」あれ、、ここはどこだ?
たしか僕はいつものように博麗神社に散歩に行って、その帰りに階段を踏み外して落ちていったはずだが。いつも見える景色とは全く違う。いつも見える田んぼや少しばかりのビルの代わりに、森が鬱蒼と生い茂っている。頭でも打ったのか、それとも幻覚なのか。というよりあの長い階段を半分ぐらい落ちて生きていたこと事態不思議だ。「…っつ」やはり体を動かすには激痛がくる。痛みが引くまで道ばたの木陰で休むとしよう。僕はそのままここで意識を手放してしまった。
?「おっ、目が覚めたか」
まだ少し痛むが起き上がれそうだ、おきあがって
稜「すいませんでした助けてもらって、僕は西村稜といいます」
魔「倒れてたから助けたまでだぜ。あっ、自己紹介が遅れたな私は霧雨魔理沙だ、魔理沙と呼んでくれ。しかしどうしてあんな所で倒れていたんだ?」
稜「信じてもらえるといいのですが…」
僕は自分が陥っている状態を彼女に説明した。
魔「そういうことだったのか、つまり稜は外来人ということか」
稜「外来人…ですか」
霊「あら…その倒れていた男の子起きたの?」
奥の方から紅白の袴を着た少女が出てきた。
霊「私は博麗霊夢、楽園の素敵な巫女よ。あなた…外来人ね」
稜「霊夢さん、ここってどこなんでしょうか。僕がいつも住んでいるような世界とは別のようですが」
しばらくの沈黙の後に霊夢の口が開いた
霊「稜、あなたの言っている通りここはあなたの住んでいた世界とは違うわ。ここは幻想郷、忘れられ幻想となったものの集う約束の場所よ」
稜「道理でいつも住んでいる所とは違うと思ったよ」
霊夢はどうやら僕の反応に驚いたようだ、まあこれが普通の反応だろう。
さて、これからどうしたらいいものか。この体だし、しばらくは動けないだろう。その後、霊夢がとある提案を吹きかけてきた。
霊「あなた、体の怪我が治ったらあなたのいた世界に帰らない?」
?「やめといたほうがいいわ」
霊夢でも魔理沙でもない声が聞こえた。いったいどこから。その時、僕の真横に違う空間とつながったスキマが現れ、そこから霊夢より背の高い美しい女性が現れた。
霊「紫、つまりどういうことかしら?」
紫「ここにくるには人々から幻想となることよね」
霊「そうよ」
紫「稜が幻想入りしてからもう3日は経ってしまっているわ。幻想入りをした外来人は普通、1日半以内に戻っている、だから戻ってもまだ彼らの世界の人間には覚えられていることが多いの」
稜「でも、僕はなぜ戻ってはいけないのでしょう?」
紫はそっとため息をついてから言った
紫「3日もこの世界にいるともう戻ってもあなたを覚えている者はいないわ」
魔「つまり、戻るよりここに住んだ方がいいということなのか」
稜「そういうことっぽいな」
紫「まっ、これは例外ありかもね。じゃ霊夢、後はよろしく」
霊「え、どういうことか全く見当がつかないわ」
紫「幻想郷で生きていくための最低限の能力を教えてあげなさい。じゃ、帰るわね」
霊「あっ、待ちなさいスキマ妖怪」
どうやら、ここにしばらくお世話になるようだ