おまけ……。
朔を連れて散歩に行ったさくら。
ひなたぼっこをしていた朔が、日に当たりすぎて茹だってしまった!
かいがいしくも、朔を冷やそうと世話をするさくら。
おまけに朔は、おかしな事を言いだして……?
朔は、毛の色が真っ黒なので、どこにいてもすぐに分かる。
「朔〜、朔ちゃ、探すことないか、すぐいたいた」
さくらは、遊び疲れたのか日だまりで、ひなたぼっこをしている朔を見つけた。
「もー、こんなとこで寝ちゃって。あれ?」
と、さくらは異変に気づく。
心なしか、汗ばんでいるような……?
「ひー、ひー、ひぃ〜……」
「朔!? アンタ、何やってんのよっ、こんなに熱もって!」
さくらは、慌てて朔を日光から庇う。
そうなのだ、黒いものは、熱を含みやすいのだ!
「あーつーい――‐‐、目ぇまわる〜〜」
「朔ちゃんのおバカっ! 川にでも浸ってなさいっ」
さくらは、そっと朔を緩やかな水流に漬け、手のひらで水を掬っては、耳を避けてかけてやった。
「さくらー、ごめんよぅ」
やや暫くして、川の水に冷やされてすっかり元に戻った朔が、申し訳なさそうに言いだした。
「もう、勝手にいなくなったりしたら、やーよ?」
「ああ。こっちは小回りが利いていいけど、あっちだと……さくらが怒るな、多分」
さくらは、なんのこっちゃ、と首を傾げる。
「おーい、朔ちゃん? 上せちゃった? なんの話か分かんないよ」
「うー、なぁさくらー…こっちのおいらと、男前なおいら、どっちがいい?」
「朔ちゃんは、朔ちゃんでしょー? ヘンなこと言わないの、帰るよ」
「うー」
ずぶ濡れ朔を抱っこして、急ぎ足で道をつっきるさくら。
「さくら、温けぇ」
目を細めて呟いた朔は、そっとさくらの喉元に顔をすり寄せた。
が、特に聞いていないようである。
「急がないと、ドラマ始まっちゃうじゃない」
その後は、朔がむくれて、フォローが大変だったようだ。
どうも、維月です。
ここまで読んでくださる読者様に感謝です。
朔が言っていた『男前なおいら』
後に分かりますので、乞うご期待。(なにをだ〜)(汗)