表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/37

プロローグ

「は〜……今日もしんどかったぁ、ガキんちょの元気なこと。お母さん達も、あたし達のそれ以上に大変なんだろうなー」

「そうですよねー? 子供って、ワガママは言うし、急に泣き出すわで大変ですけど、そう考えるとお母さんって、パワーがあるって言うか、スゴイですよねぇ」

夕暮れの河川敷沿いの道を行く、女二人組。

見かけ、仕事上の先輩と後輩と言った感じである。

歩いていく二人の影が、不格好な案山子かかしのように、地面に伸びあがっている。

「あ‐―‐‐、やっと明日休みだぁ」

先輩の方が、ひどく情けない声で呟いた。

「明日って、確か……となり街の公園まで遠足でしたよね? いいなー、先輩」

「あはは、頑張れー……まだ若いんだし」

「先輩だって、若いじゃないですかぁ〜」

にこにこと笑う先輩を、後輩が膨れ面でどつきに掛かる。

「じゃ、ここらでね? お疲れさまぁ」

後ろ向きのまま手を振って、後輩とY字路で分かれる。

「お疲れさまでしたー」

遠くに後輩の声を聞きながら、彼女はほぅと溜息をついた。

Y字路で別れた二人。それは、あたかもこれからの二人の行く道を、示しているかのようだった。

彼女は、後輩と別れると、バスを終点で下車し、閑静な田舎道を歩いていった。


 私、高島さくら、23才。(いや、年は余計だったか)市内にある、幼稚園の保母をしています。

ちなみに、居間は実習生を育成中。これがまた、ダメっ子で……。

とりあえず、毎日が大変で、めまぐるしくて……だけど、どこかで退屈してる。

『なんか、普通でないことが起こればいいなー』

なんて、軽々しく考えたのがいけなかったのかも知れない。

その後に起こることが、私の人生を大きく左右することになるなんて、私は夢にも思っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ