7、ミッションリザルト1
東暦二〇一一年。超能力戦争終結から二年の月日が流れている。エスパーとの戦いに勝利を収めたサイコスト。サイコストでもあり、エスパーでもある少年、魂波闘也。彼は太平洋上にエスパー島という島を建設させ、全エスパーをそこに居住させることに決定した。
その中に中級エスパーの住むMエスパー島がある。そこでは、さまざまな工業製品が開発されているため、科学的には一番進歩している島である。
その数ある工場の中の一つで、警報が鳴り響く。そう、工場に侵入者が現れたのだ。エスパー達は侵入者を食い止めようと保安部隊を動かし、応戦したが、侵入者に被害はほぼ全くなく、侵入をそのまま許してしまった。
侵入者である赤火紅蓮という少年。彼は、この工場で開発されている『コピーングリスバン』と呼ばれる物を持ち出そうとしていた。そして、万全のセキュリティと、数々の保安部隊を突破し、コピーングリスバン――略してコピリス――を盗み出したのであった。
紅蓮は、炎天中央高校に入学した。そこで、前大戦の英雄であり、そして紅蓮の旧友である闘也と再開を果たす。炎天中央高校には、闘也の他にも、波気乱州、遠藤的射、白鐘由利といった、超能力戦争の英雄の面々がそろっていた。
その中で、闘也以外とは対立姿勢をとり、友好的な関係をとろうとした乱州を拒んだ。闘也とは、まるで解かれない絆――というより、紅蓮の闘也に対する忠誠心――で繋がっている。
炎天南高校では、これまた英雄の風見秋人がいた。その他には、黒い三彗星と言われる元不良軍団がいる。改造超能力者――カスタムサイコストである彼らも、超能力戦争を戦った。最も、闘也達のように英雄にはなってはいないが。
闘也達は、エスパーの頂点である闘也の政策に不満を持ち、たびたび反乱を起こすエスパーがいる。闘也達は、そんな反乱兵を抑える部隊を結成し、日本の防衛に努めている。
それが、反乱兵鎮圧部隊。
そして、紅蓮がコピリスを盗んでいたことを知った闘也は、紅蓮に、対立するか、鎮圧部隊として協力するかの選択を迫った。勿論、紅蓮は協力を選んだ。闘也と対立してまで乱州達と対立するよりも、闘也と共に戦うことを選んだ。
それから二日後、エスパーの反乱兵を学校の屋上で殲滅した紅蓮。そこに、傷だらけの闘也が現れる。見れば、学校はすでにいつもの活気はなく、すっかり荒廃していた。あちこちに血だらけの体が転がっているその様子を全く気にせず学校を出て行く紅蓮。紅蓮は、闘也の要求に応じ、闘也の命令という形で、さらわれた英雄達を助けることを決めたのであった。