13、ミッションリザルト2
東暦二〇〇九年二月。サイコスト、エスパーの間で行われた超能力戦争は、エスパー側の降伏という形によって、その幕を閉じた。
東暦二〇一一年四月。超能力戦争終結から二年の歳月が流れた。
サイコストでありながら、エスパーの血をも持つ魂波闘也は、エスパー全員を、太平洋上に建設した島々、「エスパー諸島」へと移住させた。階級ごとに区分した島々の中には、その闘也の政策に異を唱え、日本へと攻め込むことも度々あった。
そんな彼らを静めるため、超能力戦争の英雄をはじめとする、『反乱兵鎮圧部隊』が結成され、人々はさほど怯えることもなく、平和に暮らしている。
エスパー島よりコピーングリスバンを盗み出した赤火紅蓮は、闘也に従い、反乱兵鎮圧部隊となった。だが、それから大きく間を開けぬうちに、炎天中央高校で、とある事件が起こる。ノーマルはほとんどが殺され、サイコストもほとんどが誘拐された。唯一その中で残っていたサイコスト、赤火紅蓮、魂波闘也は、さらわれた英雄達を救うため、動き出すこととなった。
その中で、紅蓮と闘也は改造超能力者――カスタムサイコストと戦闘になる。その中で明らかになった、『サイコスト狩り』の存在。純粋超能力者――ピュアサイコスト――の捕獲、殺害を目的として動き出すカスタム達。その規模は今は小さくとも、全国各地で小規模なサイコスト狩りが勃発していた。
その中で、半ばカスタムとなってしまった、超能力戦争の英雄の一人、風見秋人が現れる。なんとか正気を取り戻させた紅蓮達であったが、その直後、かなりの数であるカスタムとの戦闘になった。
一方、エスパー島の最高議会では、コピリスの強奪犯である者が闘也と行動を共にしていることを知り、いざという時には、闘也に紅蓮を討つという結果で議会終了というものになった。
さらにもう一方、四国と本州にはさまれたとある海中に、カスタム達の秘密基地が隠されていた。その中で指揮官を務めていたのは、黒い三彗星リーダー黒田暗志の父、黒田闇亜であった。闇亜は、とある一人の部下に指示を下した。その命令は、コピリスの強奪であった。
その命令に従い、紅蓮達の前に現れた少年、青水冷雅。彼は奪取の能力を持ったカスタムであった。
彼の言動により、カスタム達が集結した組織、『カスタマー』の存在、そして、その中の組織である『虹七色』の存在を紅蓮達は知った。
コピリスを奪取しようとした冷雅に対し、闘也は、覚醒システム、『ムゲン』を発動させる。超能力戦争以来の覚醒に、秋人は興奮し、紅蓮は唖然としていた。闘也の戦いは、二年前の時と変わらぬ動きであった。
が、その覚醒も虚しく、闘也は一瞬の隙を突かれ、コピリス奪取の阻止に失敗してしまう。
コピリスを奪われた紅蓮、覚醒した闘也の悔やみ、秋人の奪還、エスパーの決定、カスタマーの存在、そして、今だその姿を見せないかつての仲間達。
まだ、戦いは始まったばかりである・・・・・・。