0、プロローグ
この小説に登場する地名、人名等は、全くのフィクションなのでご了承ください。
また、死亡シーン等、残酷なシーンもあるのでご注意ください。
文章見直し、及び付加削減した改訂版。
未来少年の続編となっているので、前作も目を通していただけると幸いです。
また、話もある程度は理解が早くなると思うので宜しくお願いします。
東暦二〇〇九年二月五日、この日、サイコキネシストとエスパーによる戦争は、エスパーの降伏という形でその幕を閉じた。
人はこの戦争を、超能力戦争と呼んだ。
その中で、英雄としてあがめられた五人の少年達がいた。
そのうちの一人、魂波闘也。彼は五人の中で特に優れた能力を用い、エスパーと戦った。
だが、実は彼もエスパーだった。しかし、闘也自身はそのことを知らず、戦争を起こした父、ソウリール・エスパーと戦うことを決意した。結果、父を殺したことを後悔した闘也。そこに現れたのは、闘也の祖父と名乗る男だった。
その男の名は、キラー・エスパー。
エスパーを生み出したとされる神の存在だった。数十年前に帰らぬ人となった彼を復活させたのは、エスパー軍最重要組織、ESPが開発したルシーラというエスパー量産ロボ。
ルシーラは、ソウリールの命令により、死んだエスパーのエネルギーを集め、それを凝縮し、キラーを蘇らせることに成功した。
だが、キラーさえも、闘也達によって滅ぼされ、ようやく、超能力戦争は終結した。
そして、超能力戦争終結から二年の月日が流れた。戦争により被害を受けた炎天をはじめとする各地域は、その二年という時間をかけて、復興作業が終了した。そんな世界情勢の中で闘也は、共に英雄としてあがめられ、闘也の相棒として戦ってきた少年、波気乱州と再会した。
その二人と共に、炎天中央高校に入学したのは、こちらも英雄である、遠藤的射、白鐘由利という二人の少女達だ。
四人は、この炎天中央高校にて、新たな生活を始めたのであった。
ちなみに、残る一人の英雄、風見秋人は、あまり頭がよくないがために、中央よりも下のレベルの高校に入学した。
闘也は、日本復興後、エスパーの指揮官の座を離れたが、すぐに帰ってきて欲しいと言われ、再びエスパーの座に戻ることにした。そして、太平洋上に、ハワイほどの島を建設させ、そこに全エスパーを暮らさせることになった。
この『エスパー諸島』と呼ばれるこの島々は、身分によって、住む島を分けさせた。上の身分の島はもちろん、下の身分の島にも、入ることを禁じた。島民たちを指揮するものも、彼らと同じ身分の者。闘也は、『無差別システム』と名づけたこのシステムで、彼らの間に、格差社会を作らないようにした。
この、身分ごとに住む島を分ける『無差別システム』は一見、逆に格差社会をつくるのではと思われがちだが、統率者も同じ身分なため、世間からは『名前だけの格差社会』と言われ、好評だった。
そして、その中の、中級身分のエスパーたちが住む、Mエスパー島では、主に工業が盛んに行われている。そして、そのうちの一つの巨大工場で、警報が鳴り響いたのは、その年の四月のこと・・・・・・。