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10th Name 【Two Hundred Party Pt.5】
わたしはもうすぐ死ぬ。
ぼんやりとしていく意識の中で、そんなことを考えていた。
視界の片隅で、旦那が泣きながらわたしの手を握っている。
だけど、ふと考える。
本当に旦那は旦那なのだろうか? ひょっとしたら宇宙人が化けているのでは?
どうでもいいか、とわたしは思う。
人間であれ何であれ、彼は長年わたしと連れ添ってくれた。一緒に笑ってくれた。それでいいじゃないか。
だから旦那に言った。
夢を見せてくれてありがとう、と。
当時の200文字小説のラストです。
1作目の宇宙人ネタと少し絡めてみました。
ちなみに感想で『4作目のサキュバスの続きですか?』と投げかけられて、ふと意識。
「ひょっとして幸せになれたのかな」と想像して、何だか嬉しくなってしまいました。
ますますサキュバスが好きになった瞬間でした。