決着
魔眼展開、魔眼使いの最終奥義とも言える。一定範囲内全てに魔眼の効果を及ぼす技、それを魔眼展開と呼ぶ。魔眼展開にはいくつか弱点が存在する。一つが魔眼展開は長時間は持たないこと。鍛えることで時間を伸ばすこともできるが目への負担が大きいため、ほとんどの魔眼使いは長時間発動させることはない。二つ目は習得難易度が高いこと。魔眼展開は最終奥義と称されるだけあって習得難易度はかなり高い。瞳の色が濃くても魔眼展開はできないという魔眼使いは何人も存在する。それほどの次元なのだ。そして最後、魔眼展開を使えば魔眼の能力が相手にバレてしまうこと。もし本当の戦場ならば魔眼展開を使った時点で相手を確実に仕留めなければならない。
「魔眼展開をここで切るか…いい度胸だ。それぐらいなければリーダーは務まらんからな」
「すまないが魔眼展開を習得したのが最近なんでな。すぐに終わらせてもらう」
大量の触手が全方位から現れる。サイズもさっきの2倍以上はあるだろう。避けたいところだが、そう簡単には避けさせてもらえないだろう。魔眼展開は空間そのものに効果を付与しているのではなく、視界がその範囲内を全て見ているような感覚に近い。そのため実際は後ろに立っていても魔眼展開の範囲内だとバレてしまう。そのため全てを綺麗に避け切るのはかなり難しい。
「ま、いけるだろう」
それは能力がわかっていない場合の話だ。俺は既にルフの魔眼の能力を知っている。それなら対処のしようはいくらでもある。俺は全速力でルフに近づいていく。触手がそれを遮ってくるが、時間稼ぎ程度にしかならない。それに威力は大きくなっているがその分速度が落ちている。いなすのはそこまで難しくはない。そして射程距離内にまで入った瞬間だった。足元に痛みが走る。俺は咄嗟に後ろへ下がる。そこにあったのは小さな触手の群れ。
「必ずしも大きい触手とは限らない。小さいものも出せることをお忘れなく」
「そうかい。でもやることは変わらないな」
再び俺はルフ目掛けて走り出す。地面からの触手にも気をつけながら。
「チェックだ」
俺の手が届く距離にまで再び近づいた。
「なら、次はこれでどうだ?」
ルフの服が変形し、触手へと変換され俺に襲いかかってくる。だがそれを知っていたかのように回避する。そのまま流れるように蹴り倒した。
「その程度、予測済みだ。」
「くっ…」
限界が来たのか魔眼展開が解除されていく。
「どうする?まだ続けるのか?」
「…負けました…」
その後はいろいろ謝られて1500ウリンを払われて決着がついた。




