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去来の魔眼使い  作者: ゆっきー
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魔眼解放

 光は徐々に落ち着いていき、俺が目を開くとそこは今までいたところとは全く別の場所にまで飛ばされていた。周囲を確認するが、見覚えのない景色が広がっている。どこかもわからない。だが最低でも俺がいた場所とはかなりの距離があることは明白だろう。


 それから俺が当てもなく歩いていると、魔眼使い同士が戦っているのが目に入った。俺はバレないように気配を消しながら近づいていく。


「お前、この俺様に喧嘩を売っておいて、タダで済むと思ってんのか?」

「何言ってんの、あんたが最初に売ってきたんじゃない!」


ガタイのいい男と華奢な女、体格差は火を見るより明らかだ。だがこの世界では体格だけで優劣はつけられない。最初に動いたのは男の方だった。魔眼を使用する。瞳の色的に片眼だ。


「死に去らせや!」


男は地面の土を拾い上げ、上に投げ上げた。するとその土は弾丸の如きスピードで女を襲う。重力操作か、はたまた時間操作などだろうか。それにしてもなかなかだ。片眼でここまでできるやつも少ないだろう。だが女はその攻撃を全て避けていく。まるでどこに攻撃が来るのかわかっているかのように。魔眼を使っている気配はない。あれが素の実力ということだろうか。


「鬱陶しいわね!」


女も魔眼を使用する。すると地面から無数の触手が生え、男に襲いかかる。だが男もかなりの実力者、そう簡単に攻撃は当たらない。だが女が優勢なことには変わらない。徐々に男も避けるのがキツくなっていき、ついには被弾が増えていく。


「クソアマがッ」

「うるさいわね!臭い息出してんじゃないわよ!」


女の戦い方は魔眼使いでは珍しい、魔眼と体術を組み合わせた戦闘スタイルだ。魔眼使いはそれ自体が一撃必殺になり得るし、魔眼に対抗できるのは魔眼だけと考える者も多い。結果として体術の重要性はこの世界ではほとんどなくなった。故に目の前の女のような闘い方をしている魔眼使いはほとんどいない。


「ほらほら!どうしたの!さっきまでの威勢はどこに行ったのかしら?」


男の方は防戦一方になっている。その瞬間だった。


「舐めんなよ!クソアマがッ!」


その威圧に押されて女が後ろに下がる。魔眼の力ではない。男が発するエネルギーに押されたのだ。


「俺がお前程度に負けるはずがねぇんだ!」

「はっ!今、負けてたじゃない。負け惜しみですかぁ?」


女が男を煽るようにそう言っている。だが女が言ってたことは事実だ。あのままなら確実に男が負けていた。それは今も変わらない。さっきの圧も二度目は効かないだろう。男には勝機はない。そう思えた。だがその考えは次の男の行動で否定された。


「女なんざに見せたくなかったがしょうがねぇ…」


《魔眼解放:剛》

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