美少女(?)
俺はウェンを連れてウリのもとに来ていた。
「久しぶりぃウリ」
「あぁ…久しぶりだな…」
ウリの反応がぎこちない。そして俺と視線を合わせてくれない。こんなにも助けろと視線で訴えているのにだ。俺の腕を両腕で包みながら身体を寄せてくるウェンから救い出してくれ…
「あのぉ…ウェン…その…なんだ。スノーも動きにくいだろうから、離してやってはくれないか?」
「え?なんで?」
やっと助けに動いてくれたウリだが、それに対するウェンの反応はイかれていた。
「私はダーリンがいないと生きる気力も起きないの!私が最後にダーリンと話したのはもう何年も前だよ?そりゃ恋文は定期的に送ってるよ?でも、それじゃ足りないの!だからこうしてダーリンからラブパワーを得てるんだよ!」
「訳がわからん…お前、最後に会った日からかなり悪化してないか?」
「悪化なんて聞き触りがわかる!愛が大きくなったって言ってよ!」
「同じだろ…てか、本当にどうにk」
ドゴーンっと一瞬でウリが蹴り飛ばされた。魔眼が一瞬だけ使ったようだが、それでも化け物だ。
「私の恋路を邪魔する奴は誰であろうと許さないよ?わかってるよね?」
「おい、もう気絶してるぞ」
一瞬の出来事すぎてウリも対応ができなかったのだろう。1発で気絶してしまった。
「え?あー…やりすぎちゃったかな?でも悪いのはウリだよね!ダーリンもそう思うでしょ?」
「俺はお前のダーリンじゃないし、お前が悪い」
「えー!?」
「お前なぁ…少しは考えろ。なんで俺たちがここに来たのか」
「んー?結婚報告?」
「ちげぇし、結婚もしねぇよ!お前が来たって報告と、アルとの連絡状況がどうなったとかな」
「むすぅ!フィアンセの前で他の女の名前を出すなんて!」
「知らねぇよ!フィアンセでもねぇよ!」
側から見れば可愛い美少女に迫られる羨ましい光景なのだろうが、やられている側からしたらめんどくさいことこの上ない。俺もこれがただの女の子なら多少は嬉しかったかもしれないが、こいつの場合、性別が男だ。それを知っている時点で喜べない。
「はぁ…これじゃあ起きるまで待たないとじゃねぇか…」
「私はダーリンとなら何時間でも待てるよ?」
「俺はお前がいる時点でなるべく早く立ち去りたいんだ…」
「?あー、そうだよね。二人っきりの愛の巣であんなことやこんなことを…もう、ダーリンたら!」
「勝手に話を広げるな」
普通にこいつと居たくないだけなんだが、なぜこうなってしまったんだ。
・・・
昔のこいつはどちらかというとクールな部類だった。どんな状況でも冷静沈着で、状況を客観的に見ることに長けていた。だが、あるとき、ミスをした。そのミスに気づくの遅れ、ウェンは窮地に立たされていた。その時に助けたのが俺だった。それからだ。こいつが何故か女装をするようになり、俺にグイグイ来るようになった。そこには昔のウェンの面影はなく、女装イカれ美少年になっていた。
「本当にどうして何だよぉ…」




