元桃源郷拠点
翌日、カリンとヒジリが帰ってきた。
「師匠!ノランのアジト見つけたよー!」
「そうなのか?」
「うん!情報通りだった!」
「でも不思議ですよね。これだけ情報がばら撒かれて、しかもスパイも紛れ込ませてたのに、何故アジトの場所を変えないんでしょうか?」
「さあな」
「それは簡単な話だよ」
ナハトが話に入ってくる。こいつら上層部のはずなのに暇しすぎだろ…昨日の間に拠点内の修復や怪我人の回復は全て終わり、形上はいつも通りの毎日が戻ってきた。だが、心の中はいつも通りではない。不安に駆られている奴らがほとんどだ。雰囲気も暗い。早く終わらせないと、他の奴らが持たないだろう。これが戦場になれている奴らだけならこうはならないだろうが、ウリはどんな奴らでも情で入れるからなぁ…
「なんなんだ?」
「あそこは元桃源郷の第三拠点があった場所だからだよ。」
「あー!なるほどです!」
桃源郷は拠点を4つ持っており、一番活動が多かったのが第一拠点だが、他の拠点もかなりの発展を遂げていた。それの一つがあった場所なら、バレても手放せないだろう。
「てか、お前はよく知ってるな」
「そりゃそうだろ。俺も元とはいえ桃源郷にいたことがあるからな」
「そうなんですか?」
桃源郷は平和だったが、その代わりに入ることがかなり難しかった。一定以上の強さを持つものなんかは入れてもらえない。故に入れなかった人間も多い。ルーラーのほとんどは入ったことがないだろう。
「僕の能力は戦闘よりサポート面が強いからね。それで入ることができたんだよ。」
「へー、じゃあ、あの桃源郷が壊滅した時もいたんですか?」
「いや、その頃には僕とウリはルーラーを作ってたからね。その事件については言伝で聞いた程度だよ」
「で、お前が来たってことは…」
「うん、スノー、ウリが呼んでるよ。それと…"あの子"からの手紙も来てるよ」
「は?なんであいつ、俺がここにいること知ってんだよ」
「魔眼の力でしょ」
「それで全部片付くと思うなよ?…はぁ」
「ま、いいじゃないか。好かれてるのはいいことだろう?」
「それはそうだが…はぁ…行くかぁ」
そして俺とナハトはウリの元に向かうのだった。
・・・
「お、来たな」
「あぁ、で、何の用だ?」
「ノランのことで少しな…あ、これはあいつからの手紙だ。あ、内容は読んでないが、念のため一度開いてる」
「そうか。後で読む。で、どうするんだ?」
「少数精鋭で全力で潰す」
「じゃあ誰が出るんだ?」
「なんとなくわかるんじゃないか?少数精鋭の時点で」
「待て…もしかしてだが昔のようにやろうとしてるのか?」
俺がそう聞くとウリは無言で頷く。こいつは昔のように俺たちで壊滅させようとしているらしい。
「あれは他の2人もいたから、できただけで、俺たち3人だけだと無理だぞ?」
「アルには連絡が取れている。もう1人は…その手紙が来てる時点でお察しだろ」
「…はぁ…マジで言ってるのか?てか、アルはいいが、あいつとは会いたくないぞ?」
「なんでそこまで嫌がってるんだか…」
「ウザいからに決まってるだろ」
「まあ、関係ないな。と、それだけだ。準備しといてくれ。もちろんナハトもな」
「はぁ…わかった。」




