チート
「いやー初日から大変だったっすね」
「そうだな。急に喧嘩を売られるとはな」
「あの人、前から強い人たちに喧嘩を売って戦ってたから、結構有名なんだよ。一部の層からはかなり嫌われてるし。でも実力は確かだからウリさんも強く言えないらしいです」
「今回でこういうのはやめて欲しいんですけどね」
「というか、さっきの戦闘、師匠数回しか魔眼使ってなかったっすよね。しかも本当に一瞬だけ」
「まぁ、あのレベルならな。使わせただけでも相当強かったと思うぞ。野良の魔眼使いなら魔眼なしでも勝てるしな」
「やっぱり地力かぁ」
魔眼使いは魔眼の力も重要だが、それと同じぐらい地力も必要だ。例えば魔眼が使えない状態、視界不良だったり、目隠しをされたりだとかの魔眼が使えない状況の時に魔眼が使えなくて負けましたなんて、なんの言い訳にもなりはしない。だからある程度上澄みの魔眼使いは、魔眼の能力はもちろん、地力もある奴らがほとんどだ。
「お前らもちゃんと鍛えてるのか?」
「うちは鍛えてるっすよ。毎日5時間は筋トレしてるっす!」
「私はそこまでできてないです」
「僕も最近は任務とか幹部の仕事でなかなかできてなかったかな」
「ん?幹部によって仕事量が変わったりするのか?」
「えっと、幹部ごとに補佐がつくんですけど、ヒジリの補佐がめちゃくちゃ仕事ができる人だったんですよ。今はウリさんが私たちの補佐だった人たちをどうするか検討中らしいですけど」
「なるほどな。いっそのこと、ここに入って貰えばいいんだが」
「それだと人数が7人になっちゃうんですよね。チームは最大6人までってなってるんです。管理しやすい人数がそれぐらいって判断らしいですよ。それにここに人が増えても足でまといになると思いますし」
「そうか…」
「あ、師匠から見たらうちらも足手纏いとかそんなのはいらないっすからね」
「言わねぇよ」
まぁ、足手纏いにはなるかもしれないが、こいつらもなかなかの猛者だ。他の奴らよりかは信頼ができる。だから適当に人が増えるよりかは連携がとりやすいのかもしれない。
「あ、そう言えばお前ともやるんだったか?カイ」
「そうでしたね。じゃあ、どうしましょうか」
「…かかってこい。長引くのも面倒だし一瞬で片付ける。」
既に俺たちはギルドを出て、人気の少ない広場まで来ていた。ここなら誰かに迷惑をかけることもないだろう。
「じゃあ、行きますよ!」
カイが近くの石を手に取って投げつけてくる。俺はそれを回避するが、その石がカイと入れ替わり、俺目掛け蹴りを放ってきた。だが、その攻撃は俺には届かなかった。その足は俺の体をすり抜け、空を切った。俺はそれに合わせて拳による打撃、一撃でカイを沈めにいく。カイは再び入れ替わった石と入れ替わるが、関係ない。カイはいつの間にか元の位置に戻り俺の攻撃をモロにくらって吹っ飛んでいった。
「ぐっ…いっつ…」
「終わりだ。」
「その魔眼本当に強いっすよね。チートじゃないっすか」
「弱点はあるんですか?」
「探せばあるんじゃないか?俺もわからんが」
「あのー…背負ってもらえると…ありがたいです…」




