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去来の魔眼使い  作者: ゆっきー
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崩壊した世界

 この世界は魔眼によって壊された。ある年から人間に魔眼という力が芽生え始めた。その能力は様々だが、魔眼は全てにおいて人智を超越するような能力を持っている。そんな力を得た者たちは暴れまくり、政府、国はそれを抑えることができずに崩壊、今では国家などはなくなり、ありとあらゆる魔眼持ち同士が我こそが支配者と名乗り戦争を繰り広げている。


「…眠い」


俺は柳雪。魔眼使いだ。毎日爆音にて起こされる。この世界に安全なところは存在せず、ありとあらゆる場所で毎時戦闘が行われている。そのため安心して寝ることもままならない。


「はぁ…何が楽しいのやら」


俺は双眼鏡を手に取り、爆発音のした方向を覗く。そこには男性と女性が向き合っていた。


「ふむ…」


戦況は男の方が優勢といった感じだろうか。女の方が傷が多い。それに男の魔眼の方が女の方より極まっている。魔眼は鍛えるほど色が濃くなっていく。男の方は赤い瞳、女の方は青い瞳、だが男の方が多少だが色が濃い。


「決着だな…」


こんな世界になって唯一いいことは見るものに困らないことだ。常にいろんな奴ら、いろんな魔眼持ちがやり合う。毎日がアニメのような描写だ。


「ま、流石に飽きてきたが…」


同じような展開ばかり、色が濃い魔眼持ちが勝つことがほとんど。薄いやつが勝つなんてそうそうない。


「さて、最後まで見るかな」


・・・


「はぁ…はぁ」


私は今、追い込まれていた。この男、想像以上に強い。男の魔眼の能力はわかってきた。多分身体強化を行う魔眼だ。魔眼発動中だけ身体能力が5倍程度上昇する。私の魔眼は見た者の身体能力の減少。でも男の方が魔眼の能力が上。あと数回くらえば死ぬ。既に足と腕を持っていかれている。動かせるが激痛が走る。動かないものと考えた方がいいだろう。そして私の眼もそろそろ限界だ。


「さて、最後のチャンスだ。俺と付き合え。そしたら殺さないでおいてやる」

「誰が…お前なんかの彼女になるか…」

「はぁ…ならしょうがないな…死ね」


死を覚悟した。だが男の攻撃が私に来ることはなかった。私はゆっくりと目を開くとそこには片目に眼帯をつけた黒髪の少年が立っていた。


「すまないな。少し近くで見るだけにしようと思っていたんだが、あまりにもお前のセリフがきもくてな」

「あ?」

「聞こえなかったか?キモいって言ったんだy」


彼の言葉を遮るように男が攻撃を行う。衝撃波で土煙が舞う。そしてそれが晴れた頃だった。そこには首を掴まれ上に持ち上げられている男の姿があった。


「ガッ…クソ…がっ」

「はぁ…敵ぐらい見定めて選べよな。」


男も多少は消耗していたのかもしれない。それでもこんな芸当ができるなんて…


「あなたは何者?」


そう言わずにはいられなかった。その問いに少年は振り返りながら答える。


「ただの平凡な魔眼使いだよ」

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