33. 現実世界の昼顔と夕顔
(現実世界の昼顔と夕顔)
しばらく経って、姉貴がいつもより早く帰って来た。
「何があったのよ! みんな大丈夫なの……?」
「あ、いや……、そんな大事でもないけど……」
「……、脅かさないでよ!お父ちゃんが、倒れたと思ったわよ……」
「ごめん、普通、折り返しで電話すると思っていたから、説明しなかったけど……」
学校に電話した時、姉貴は授業中だったので、早く帰って来てほしいと伝言を頼んだだけだった。
「でも、よく早く帰ってこられたね……」
「先生たちが気を遣ってくれて、途中で返してくれたのよ!」
「ほんと、優しいね……」
「……、それより何なの?」
「お客さんが二人来ていて、またお姉ちゃんの力がいるんだ……、それで、今日泊まってもらうんだ」
「誰、……、……」
「夏子が生まれた時に、手伝ってくれたお寺の巫女さんなんだけど……、夏子の出生の証人で来てくれたんだ……、でも、ちょっと訳ありで……」
「あんた、一体全体、何やっていたのよ!」
「えへ、……、後で説明するから、家にいてよ!」
姉貴は不審な顔で玄関に向かった。
私が玄関から居間に行くと、裸の夏子と裸の見知らぬ女の人が、お風呂場から出て来た。
「お姉ちゃん! ……、……」
夏子が叫ぶ……
「あんたが、蒼の姉ちゃんかい……、綺麗な人だな……」
「あ、ありがとう……、でも、何で裸でいるの……?」
「お風呂に入ったからさ……、桶が大きくて綺麗で気に入ったよ!蒼が作ったお風呂とは大違いだ……」
「いえ、そうじゃなくて、服を着ないの……?」
「服……、着物かい、着ようと思ったけど、夏子が着物がいいと言ったんで、今、二階に上がって取りに行くところだよ」
「私が取ってきてあげるから、着物を着ていてください……、この家には男が二人も居るんですから……
「そうかい……、悪いね……」
「お姉ちゃん、私も行く……」
私が自分の部屋に入った時、ベッドで寝ている見知らぬ女の人に気がついた。
彼女も私に気がつき裸で起き上がり……
「……、ベッドを借りています。あなたが蒼のお姉さんね……」
「な、何で裸で寝てるんですか?」
「……、あら、いつも裸なのよ。お花が着物を着ていては可笑しいでしょう」
彼女は布団の中から出てベッドに座った。
「お乳、お乳……、お乳……」
駆け寄ってきた裸の夏子を膝に抱きかかえ、お乳を吸わせている。
「お、お花には見えませんけど……」
「……、そう、私は夕顔、夜に咲く白い花なのよ。だから、昼間は弱いの……、もう少し寝ててもいいかしら……?」
「え、ええー、どうぞ……、……」
彼女は夏子をベッドの横に寝かすと、腕枕をして、そのまま布団の中にもう一度入った。
夏子が裸で夕顔さんと寝てしまったので、夏子に着物を着せられなくなった。
私は、部屋に来た次いでに着替えようとブラウスを脱いだ。
黒のスリムパンツも脱いで机の前の椅子に掛け、パンストも脱いだとき、彼女が私の後ろから抱きしめて、背中に頬をつけた。
「え、えー、どうしたんですか?」
一瞬、私は驚いだが、夕顔さんが胸を掴んでいることで、その趣旨は分かった。
「いいのよ。あなたも、お乳が欲しいのね……」
「……、いえ、そんなこと思ってないです」
「それなら、私の体が欲しいのね……」
「いえ、いえ、綺麗な人だと思っていただけです」
「嘘、いいのよ、私には分かるの……、女の人が好きなのね。私なら抱いてあげられるわ……」
彼女はブラジャーのホックを外して、床に落とすと、私を前に向かせて抱き寄せてくれた。
「……、暖かいわ……、……」
透き通るような白くて柔らかな肌が、私の肌に張り付いた。
「……、お楽しみだねー」
突然、もう一人の彼女が入ってきたが、夕顔さんは、私から離れない。
「蒼の母さんが、たこ焼きとお茶を出してくれたから食べにおいで、ってさ……、呼びに来たけど、要らなそうだね……、夏子、おいで……」
彼女は、ハンガーに掛かっていた夏子の白小袖を取ると眠たそうな夏子を引っ張って部屋から出て行った。
夕顔さんは、私の手を取って、ベッドに腰掛け、私を抱き寄せる。
「お乳、欲しいんでしょう……」
その言葉で、私は跪き夕顔さんのお乳を吸った。
「え、……、お乳が出るんですか?」
「……、そうよ……、私はお花だから、いつでもお乳は出るのよ……」
「そんな……、……」
でも、一度、お乳を吸ってしまうと、何故か離れられなくなり、もっと、もっとお乳を吸ってしまう。
「……、さー、ベッドが空いたから、一緒に寝ましょう……」
夕顔さんはベッドに上がり、掛け布団をかけた。私もその中に入った。
柔らかく、暖かで、サラサラな夕顔さんに抱かれて、もう一度夕顔さんのお乳を口に入れた。
母が店に出てくれたので、僕は急いで母屋に向かった。そして、居間に入ると昼顔さんと夏子がソファーに座ってたこ焼きを食べていた。
「姉貴と夕顔さんは……、……」
「……、二階でお楽しみだよ……」
昼顔さんは、たこ焼きを食べながら、嬉しそうな笑みを浮かべて言った。
「お楽しみのって、……?」
「……、二人で寝ているんだよ……」
「寝ているって、……?」
「お前も、野暮だね……」
「……、そんな……、野暮だなんて……」
「夕顔を見れば誰でも抱きたくなるのさ……」
「……、……、それでこれから、どうするんですか?」
それ以上言葉が出ず、話題を変えた。
「……、これからかい……? もうじき日が暮れるから私も寝るよ……」
「え、何処で寝るんですか?姉貴の部屋には夕顔さんが居るし……」
「決まっているだろう……、お前の部屋だよ!」
「そ、そんな露骨な事、一緒に寝るんですか?」
「……、嬉しいだろう……、また、お乳を吸わせてやるよ……」
「ほんとですか……、……、でもこの家にいて、そんな事できるわけないでしょう」
「そうかい……、あたしゃ構わないけどね……、それじゃー、夏子と寝るよ……」
「……、僕は何処で寝るんですか?」
「ここのソファーだね……」
「やっぱり、そういうことなんでね……」
店も終わって、夕食時……
今日は、チキンカツカレーだ……、でも、色々あって、胸がいっぱいで食欲がない……、不安の種が増えたせいだろう。
それでも母が作ってくれた。チキンカツを口に運ぶ。
「あの女の人たちは……、……?」
「……、あ、もう寝ているよ。夏子も一緒に……、たこ焼きを食べたから、多分いらないと思うよ」
「朝子は、……、……」
「一緒に寝ているから、起きたら食べるんじゃないかな……」
「たくさん作っちゃったよ……」
「大丈夫、カレーだから明日でも美味しく食べられるよ」
「……、そうだね……、それにしても綺麗なお嬢さんたちだね。どういうお嬢さんなんだい?」
「僕も良く知らないけど、昔からお寺に居た人みたいで、夏子の母親がいなくなって、僕が困っていたとき、夏子の世話をしてくれていたんだ。恩人の恩人さ……」
嘘は言っていない。みんな本当のことだから……
「まー、いいさ……、いつまでも居てもらってくれ」
父親がテレビを見ながら、カレーを食べながら言った。
深夜……、……
皆が寝静まると、僕はシュラフにくるまってソファーで寝ることにした。
でも、なかなか寝つけなかった。
そこに夕顔さんが、二階から降りてきた。
「私を呼んだでしょう……、なかなか寝れないのね……」
「え、え、どうして分かるんですか?」
「何でも分かるのよ……、さー、今度はあなたの番ね……」
夕顔さんは、白小袖を肩からはだかせ、お乳を出した。
僕は、そのお乳に吸い付いた。
普通なら興奮する心が、何故か静まり、温かなお乳と共に、気持ちが遠のいて行った。
静かな、虫の声もしない夜だった。




