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正偽の味方  作者: HasumiChouji
どこにも終らない夜はない
8/8

(7)

 カーチェイスなんて、ドラマや映画で見るモノだ。

 自分でやるモノじゃない。

 まして、巻き込まれるモノではない。

 自分が乗ってたバスが勝手にカーチェイスするなんて……そんな状況、有ってたまるかッ‼

 ああ、畜生……「これで向こう1年は馬鹿話のネタに困らない」以外に何1ついい事が無い。

 多分、映画やドラマだったら「これ作った奴、やる気有るのか?」レベルのショボいカーチェイスなのだろう。

 でも、意味不明なカーチェイスに巻き込まれた奴らからすれば……。

「うげ〜」

 ある者は吐き……ある者は座り込み……。

「どうすんですか……これ……」

 若い警官が呆然としている。

 バスは路肩に寄せられ……()()()()()()()()()である私らは、バスから降ろされ……。

「あのさ、ウチの子も、あんたらの番組観てるけど……これ知ったら泣くぞ‼『正義の味方』の番組撮ってる奴らが、高速道路で暴走って、何考えてやがるッ‼」

「す……すいません……」

 早速、全責任を負わされる羽目になったプロデューサー補の女。

 と言っても、戦隊モノだけど……「正義の味方」と言えるかはビミョ〜なんだけど……。

 あ〜あ……SNSに何書かれるか予想が付いた。

「『正義の暴走は怖い』がテーマの特撮の撮影スタッフ。自分らが高速道路で大暴走」

 ……ま、そんな感じだろ。

 あ……ひょっとして……何回か後の怪人(テラーノイド)は「犯人逮捕に熱心過ぎて暴走した警官」とかになるのかな?

 どう考えても「正義の暴走をした奴が怪人と化す」ってコンセプトに無理が無いか?

 その内、ネタが尽きるか、さもなくば「多少の犯罪や悪事は見逃しましょう」なんて子供番組としてマズい話になるんじゃないのか、これ?

 だんだん……この番組のコンセプトが……「そんな話は公式じゃなくて二次創作でやれ」的な一発ネタにしか思えなくなってきた。

「え〜みなさんッ‼」

 プロデューサー補のヤケクソ気味の絶叫。

「これから最寄りの警察署に移動して、形式上、調書を取ります」

「全員ですか……?」

 イエロー役の赤城が、うずくまって吐きながら手を上げて、そう訊いた。

「はい、全員です」

 心配そうな表情で、オペレーター役の村上が背中をさすっている。

 いや、でも……この感じ。

 ガチで百合(でき)てんのか、この2人?

 まぁ、いいか……ウチの事務所の奴じゃねえし。

 昔の戦隊モノについての都市伝説「出演者が百合駆け落ちしたせいで、途中で役者交代」みて〜な真似さえ起こして……あ……。

 チューの奴が……真っ青な顔になって……。

 ああ、マズい……。

 パニック症状を起こし易い奴が……こんな状況に巻き込まれたら……うわああああ……。

「え……?」

「おい……?」

「救急車、空き有るか、確認しろッ‼」

 とうとう……チュ〜の野郎は……過呼吸状態になり……ふらふらと……倒れ……。

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