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正偽の味方  作者: HasumiChouji
どこにも終らない夜はない
7/8

(6)

 出演者とスタッフが乗ったバスの真ん前で、トラックの連続追突事故という余りと言えば余りの状況の中……。

 同じバスに乗ってたプロデューサー補の女が、携帯でどこかに電話……してる最中に、別のスタッフから携帯電話を渡され……2つか3つの電話に同時並行で対応しなきゃいけないという、聖徳太子じゃなけりゃ無理な真似をやらされ……おい、大丈夫か、これ?

「出して下さいッ‼」

「えっ?」

 バスの運転手は、呆然とした声で……。

「あ……あの……私達、事故の目撃者なんで、警察とかに……」

「上の方からの指示です。撮影スケジュールが押してるんで……このまんま突っ切ります」

「あ……あの……本当にやって、何か有った場合の責任は誰が……?」

 運転手さんの当然極まりない指摘。

「後で考えましょう」

 おい、多分、詰め腹斬切らされんの、あんただよ。

 そして……バスは発進。

「すいません、工場での戦闘シーンは夕方ぐらいって設定に変ります。それに伴なって、今回の脚本の他のシーンも変更になります。今、脚本家さんに手直ししてもらってます」

 ……はぁっ⁉

 大丈夫なのか、この現場?

 バスは、あるモノは横転し、あるモノは大破した事故車の間を縫って……うわっ?

 揺れる。

 無茶な進路を無茶なスピードで走ってるんで、揺れる揺れる揺れる揺れ揺れ揺揺揺ッ‼

 吐きそう……たすけて……。

 ……って、チュ〜の野郎、こんな状況で、何、呑気にスマホいじって……ん?

 スマホをいじってるチュ〜の表情は何故か、呑気とは程遠く……。

「おい、今の状況について、SNSとかに書き込みしてねえよな?」

「い……いや、大丈夫に決ってるじゃないですか。第一、SNSの俺のアカウントで書き込みしてんのは、俺じゃなくて、事務所の広報っすよ」

「そう言や、そうだったな……」

「俺は、そもそも、自分のSNSアカウントのパスワードすら知らないんすよ」

「あ……あの……後ろ……」

 その時、イエロー役の赤城が慌てたよ〜な口調で……。

「パトカーが来てますッ‼」

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