戦士 ボードン・キーガン
今日は筋トレの日
(しんどい、なんであんなに余裕そうなんだ?)
「フンッ...フンッ」ガチャンガチャッと音が鳴る
75kgのベンチプレスをかれこれ1時間はやっている
「フゥーッ」ボードン・キーガンは軍の戦士の中でも上から数えた方が早いくらい力持ちだ同じ歳と信じることは出来ない
「ゾンネ、みとけよォォォッ!!」
「ウォォォォォォッ!!!!!!!」
ガチャンガチャガチャガチャッガチャッ
徐々に速くなる
「ウォォォッ」
俺も筋肉を付けたいがあそこまで人外にはなりたくないと感じた。
「ふぅっ、さぁ、ゾンネやるか、」
「えっ?」
「覚えてねぇのか?試練だよ」ボードンは、にまぁと笑う
「行くぞ!」(全く傷がつかなそうだが試してみたいこともある)そんな気持ちでボードンに向かった
右の拳を胸に向かい放つボードンは避ける事もせず受ける
バチィィイン!!
「うあああああっ!」俺の拳の方がイカれちまう
「なんかしたか?」へへっと笑ってくる
「俺の番だ!「土魔法上級 岩石槍」」
ドドドドッと地面が隆起し槍のような岩石が襲ってくる
「フッ...ハッ......クッ゛」辛うじて全て避ける
(これじゃ傷付けるどころか触ることすら出来ねぇ...)
「炎魔法初級 フレア」
「すごいけどそれしか見てねぇぞ?」にまぁと余裕な笑みを浮かべる
(くそっボードンのやつ煽ってきやがってッ)
「塵も積もりゃ山となるんだ!」
ピカァッツ
「!!?」(眩しッ)
(これで隙はできた!今だ!!!)
最近少し出来るようになった魔力の制御
無属性魔力を鋭くし切り裂く技...!
「無属性魔法初級」 「何ッ?!」
「猫の爪」
シャキンッ
(.........)
「ぶわっははははっ」大笑いするボードン
(クソぉっ)
頑張ったが、ボードンに初級魔法は効かなかった。
「いやー面白いなあ!力の使い方が上手い流石勇者って感じだなっ!」
「さぁ筋トレ続けるぞ!」ボードンが楽しそうに言う
「この怪物がァー」
ワハハハハハと軍の皆が笑っていた。
【スパイニア王国 ビーチ領】
「今年の勇者は?」 「ダメだなありゃ」
冒険者たちが酒を飲みながら語っている
「その話聞かしてくれる?」 「あぁ?」
右目が隠れるまで伸びた、黒い髪を持つ執事の様なスーツを着た男が冒険者に話しかけた。
「この国のやつか?」 「そんなわけねぇだろ、それなら勇者のこたァ知ってるはずだ」
「コイツはやばいぜ、血の匂いがしやがる」
ニコニコと笑っている執事の様な男が
「ハァ...冒険者に聞くのが間違いでしたね」
「ぁ?」
執事風男の黒い目から赤く光る目に変わった...
その日冒険者リストから二人の男が消えたらしい
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