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別の世界ではただの日常です

この世の存在意義

作者: 茅野榛人

 僕は気が付いてしまった。

 人類が今も生き延びているのは、生存本能と幸福欲求が働いているだけで、そこに意義など存在しないのでは無いかと。

 これは植物や動物にも言えるであろう。

 この世は、様々な偶然が重なりに重なって出来ただけの場所なのだ。

 ただ存在している、それだけなのだ。

 つまり、この世の存在意義は、実は一切無いのでは無いかと。

 しかし僕は思った。

 このような考えをした事がある人が必ずいるはずだと。

 調べてみた、まさかの誰一人として僕のような考えをした人がいなかった。

 衝撃と、抑えきれない興奮を覚えた。

 この世の存在意義の本質に気づき、この世の存在意義を真っ向から否定する人は、他でもないこの僕ただ一人なのだと思うと、承認欲求がとめどなく溢れ出て来る。

 僕は早速SNSでこの世の存在意義が一切無い訳を文章にして書き込んだ。


 バズった。

 人生で初めてSNSで注目の的となった。

 僕の書き込みの評判はSNSだけに留まらず、ニュースや記事になるほどの反響を呼んだ。

 世間は僕の書き込みの事で話が持ち切りになり、外国でも僕の書き込みの事は取り上げられ、世界中に知れ渡った。

 こうなるともはやバズったというより、革命を起こしたと言うべきであろうか。


 僕の書き込みが人々に知れ渡ってから世界中の人口は減少して行き、やがて人々は、存在意義が無いのだからさっさと死のうと考える一派と、存在意義が無いのだから好きに生きようと考える一派に分かれた。

 僕は思った。

 余計な事をしたと。

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