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山と谷がある話  作者:
03.再度山へ行こう
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 何事も無かった筈なのだが、さっきから光の粒もとい羽虫………もとい妖精が辺りを飛び回っているようで、正直邪魔臭い。

 先程間引いた(潰した)羽虫と同一個体なのかは知らないが、どうやらオレ達を探しているようだ。

 また相手をするのはとても面倒なので、こちらに近付いて来そうなのは、逐一アルに撃ち落として貰っている。

 しかし、アイツ等の目的は何なのかさっぱり分からない。もしかして、さっき潰した奴の敵討ち的なアレか? でも、羽虫は勝手に増えるって言うし、いちゃもん付けてきたのは羽虫の方だし、オレ達がやった事は正当防衛なのでは?

 とりあえず、平和主義を掲げるオレとしては、実力行使に出てくる奴の相手なんぞ面倒以外の何物でも無い訳で。まぁ、ちょっとは周りを飛んでいる奴等の言い分を聞いてみようかなって気持ちはあるんだけど、さっきの妖精王とかいう羽虫と同じ奴等だったら徒労になる訳で。まぁ、このまま引き剥がせたら問題無いな。


「アイツ等、何で追って来るか分かるか?」


 ちょうどよく戻ってきたアルに一応尋ねてみる。


『記録されている羽虫の生態として申しますと、奴等は魔力を食べるそうです。何故お父様を付け狙うのかというと、恐らく“お父様の骨”が原因でしょう』


 オレの骨? あぁ、星冥竜(お父様)の骨ね。確かにそこらには無いような代物だとは思うが、ただの骨だぞ? いや、羽虫は魔力を喰らうとか言ってたな。つまり、この骨に魔力が含まれている?


『お父様の骨は、ほぼ魔力で形作られていると言っても過言ではありません。許し難い事に、奴等はそれを狙っているのでしょう』


 なるほどな。

 うーん、これは殲滅案件では? 平和主義? 降りかかる火の粉を払うのは当然の事だろう。オレの平和のためには仕方のない事なんだ。


『私としては、山を消してでも、奴等がこれ以上追ってこれなくするのようにするのが良いかと思いますが』


 それもそうだな。いつまでも羽虫を引き連れて移動とかしていられない。

 アル、やっちまいなさい。でも、山は消すなよ?


『領域掌握。管理No.xxxxxxx“■■■■■”を該当エリアから排除』


 アルの声と共に空間がグニャリと歪み、何事もなく元に戻った。………今のは一体?


『完了です。羽虫は空間ごと別のエリアに移しましたので、もう追って来る事は不可能でしょう』


 空間移送? テレポート的なアレか? そんなもんが使えるなら、オレ達をリスポーン地点に移動させるのも訳は無いのではなかろうか。


『え? 空間移送? あ、いえ、コレはそういうモノではなく。端的に言えば、対象物を空間ごと引き千切って飛ばすものなので、千切られた空間の中に居るモノは概念ごと崩壊して死にます』


 なんだ。やっぱりそんなに便利なものではないのか。しかし、羽虫達を穏便に退去させたのではなく、文字通り消したのか。………まぁ、いいか。


 とりあえず、これで静かになった。今度こそ新たな地へと出発だ。


誤字報告ありがとうございます。

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