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森林地帯の藪道を進む。
この道は最近余り使用されていないのか、横から草木が飛び出てきているため掻き分けて進むしかない。下の方でも思ったが、こういう時骸骨ボディだと結構便利だ。肉が無いので掠り傷を負う事もなく、藪蚊等の虫が寄って来る事もない。
実はスケルトンってフィールドワークにおいてならば、最高の種族なのでは?
戦闘方面ではさっぱりだが、フィールドを散策する分には当たり種族だったな。
ダーマ氏は自身の山小屋が盛況だと言っていたが、その宿泊客は何処へ行ったのだろうか。全てがエンデス山脈を登っている訳ではないだろうが、今辿っている道は最近使われた様子が無い。
やはり、先程のゴーレムが邪魔していたのだろうか。ゴーレムをあんな所に配置した奴はこの道へと通したくなかったのか? それにしては、あのゴーレムを突破した後の道では一切、その手の奴が出てこないのは何なのだろうか。
そういえば、光亡の洞窟付近で誰かの視線を感じた事があった。あの時はてっきり洞窟に近付くモノを監視しているのかと思ったが、実際は洞窟だけではなく、このエンデス山脈自体を監視しているモノがいるのかもしれない。………その割には、ダーマ氏の山小屋付近ではそういった事は起きてないし、ダーマ氏がそれとなく伝えてくる事もなかった。
あの時の視線の主とゴーレムをけしかけてきた奴が同じなのかは分からないが、そのモノ等が、このエンデス山脈に大分拘りがあるのは間違いないだろう。一体、この山脈に何があるというのか。
一応、ここは最初の街付近の山なんだけどな………。こんな序盤の場所に隠しクエストでも転がっているのだろうか。それを独占したくて、あんな事をしているとか?
疑問は尽きないが、オレはそれに積極的に関わるつもりは無い。降りかかる火の粉は、その都度払い除けるが、よく分からん事に一般プレイヤーを巻き込まないでほしいってのが本音だ。
『お父様、前方に“旅人”の反応です。私達に気付いた様子はありませんが、どう致しますか?』
ぁと? 噂をすれば、か? いや、この前方に居る“旅人”が、下手人なのかはまだ分からない。ただの一般登山者かもしれないし。
「このまま進むが………いざという時は頼むぞ」
『了解しました。私の生命を懸けてお父様をお守りします』
さて、蛇が出るか鬼が出るか。接触してみないと分からないが、オレ個人の思いとしては、一般登山者だったらいいなぁという所。
何故なら、ここまで行き倒れていた奴以外に他の登山者に会った事がないからな。




