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山と谷がある話  作者:
02.海へ行こう
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 隠し通路の中は多少焦げ跡があるだけで、壁や床は平気なようだ。外とは違いこの通路は劣化していないようだ。壁で塞がれていたし、密封でもされてたのか。でも、さっきの火炎放射で壁破壊された時に何も起きてなかったな。どうなってんだ。

 通路内は真っ直ぐな道だ。隠れる場所は何処にも無さそうだな。

 先へ進んだ蜘蛛怪人氏の姿は無い。何処まで行ったのかは知らないが、いつ出会すか分からない。いつでも透明化出来るように心の準備だけはしておこう。

 少し進むと行き止まりになり、突き当りの床に穴が空いていた。蜘蛛怪人氏は下へ降りたのだろうか。蜘蛛怪人氏が待ち構えているかもしれない事を警戒し、透明化を発動し穴の中を覗き込む。

 蜘蛛怪人氏の姿は見えない。ほっと一息吐き、透明化を解除する。床下には梯子がかかっており、これを使って下へと降りるようだ。

 蜘蛛怪人氏はこの梯子を降りて行ったのだろうか。そもそも、奴のサイズ的にこの穴を潜れたのか疑問だ。

 でも、ここまでの道中には居なかったため、必然的にこの先に降りて行ったのだろう。

 ふと思ったのだが、蜘蛛怪人氏は恐らくこの軍事施設の警備用モンスターの筈だ。それなのに、持ち場を放棄して何処かへ行く事なんてあり得るんだろうか。いや、この先が本来の持ち場であって、あの場所に居たのは不具合があったとか? それとも、この先に脅威となる存在を感知した? 地下十八階が滅茶苦茶広いという事を考えると、蜘蛛怪人氏が警戒するような奴が居たとしても不思議ではない。

 そんな所へ降りている途中のオレは果たして生きて帰れるのだろうか。まぁ、死んだら海中都市に戻るだけなんだが。


 梯子の終わりに辿り着いた。マップを見ると無事地下十八階に着いたようだ。これで地下十七.五階とかだったら、ちょっとやる気が出なくなってたね。

 梯子室の外へ出ようとすると、外に何かが倒れている事に気が付いた。オレは思わず透明化を使い、そっとソレに近付く。蜘蛛怪人氏が倒れているのかと思ったが、奴ではなかった。というか、コレは機械の一部っぽいな。

 なんていうか、つい最近同じような物を見たような。………思い出した。コレって、蜘蛛怪人氏の下半身じゃねぇか。何でこんな所に下半身だけ落ちてるんだ。下半身を置いて、上半身は何処へ行ったんだ?

 蜘蛛怪人氏は上半身が生物(ナマモノ)っぽく、下半身は機械っぽい生物(セイブツ)(?)だ。もしかしたらだが、ここで何者かに上半身だけ喰われたのかもしれない。しかし、喰われたにしては周りに血痕も何も無い。血が出ないタイプなのかもしれないが不自然な事だな。

 まぁ、今考えて仕方ない事ではあるな。とっとと先に進もう。とりあえず、蜘蛛怪人氏よりもヤバい奴が居るかもしれないとだけ念頭に置いておけばいい。


 梯子室の外には通路が続いている。通路の先からは光が差し込んでいる。どうやら、向う側の方が明るいらしい。何があるのか気になるな。

 透明化を使いつつ通路の外へと出た。開けた場所へ出た。左右は勿論、上にも下にも広い。見た感じでは、オレが今居る場所は地下十八階の中程にあるのではなかろうか。

 はてさて、ここには一体何があるのかな? と思ってみたものの、下の方に矢鱈と目に付く物がある。

 十七階で見たカプセルに似た物が鎮座しており、何だか矢鱈と重要な場所っぽいぞ。ただ、その大きさがおかしい。何だか矢鱈と大きいのだ。ここからそれなりに離れていると思うのだが、それでもカプセル状の施設は大きい事が分かる。あの場所まで行ったらどれだけ大きいのだろうか。

 ………一体何が入ってるんだ? それとも、何かが入っていたのか?

 何も分からん、一先ず彼処を目指そう。あそこまで行けば何か分かるだろう。



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― 新着の感想 ―
[一言] あちこちで、レイドボスを湧かせて放置するフラグ?(笑)
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