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何だか死亡フラグを立ててしまったような気がするが、気の所為という事にしたい。
まぁ、実際問題、ここまで来る事が出来たのは偶然が重なった結果だ。死に戻りをしたらここまで戻って来られる可能性はほぼ無いと思われる。
潜水艇を所有しているであろう、あのプレイヤーズクランに接触出来ればワンチャンあるかもしれないが望み薄だ。どこで接触出来るかどうかも分からないし、そもそも見掛けたのは、あのスライムとウサギだけだ。
この施設の中でリスポーン地点があればいいのだが、ダンジョン内部という扱いなのでそんな物は存在しないと思う。
いや、待てよ? ここで補修が出来たのなら、ここってもしかしてリスポーン登録出来るのでは?
あれこれ色々な機器に触ってみたり調べた結果、無理でした。いや、うん、知ってた。
気を取り直して、他の奴等の事も調べてみるか。
白骨死体の次に見るのは、例の蜘蛛怪人氏。それが入ったカプセルが五台程並んでいる。一見、全員同じように見えるが、それぞれ違う特徴を持つようだ。先程外で見た個体とは全員違うようだが、コイツ等は比較実験でもされてたのか? 外で見たあの蜘蛛怪人氏は正規品でコイツ等は規格漏れしたのかもしれないな。
コンソールを弄ったら詳細とか表示されないかなと思ったが、機械自体が死んでいるらしく何も反応が無かった。まぁ、変なスイッチを押しちゃって、いきなりカプセルから解放とかされないだけマシか。
蜘蛛怪人氏の次は、頭部が異様に大きなヒトガタ。脳が三つ位入ってるような頭の長さだな。コイツの頭蓋骨はどんな形になってるのだろうか。ここのカプセルに納まっている奴等の類似品みたいな奴が外で彷徨いているのだ。もしかしたら、コイツも何処かで見るかもしれない。詳細やらはまるで分からないが、居るかもしれないというのは覚えておこう。
何ていうか、物言わずカプセルに浮いている奴等を見てると、陳列棚を眺めているような、標本を見ているような気分になってくるな。まぁ、オレ自身の興味としては、最初の骨の件が終わった時点でほぼ無かったのだが、一応見ておこうみたいな義務感がな。
見学はそろそろ切り上げて探索に戻ろう。ここでは、新しい骨を手に入れた以外には特に目ぼしい物は無かった。この施設の情報でも転がってないかなと思っていたが、期待外れだったな。
出口近くのコンソールに一枚のカードが置いてある事に気が付き、拾い上げてみる。『R1』とだけ書かれたカードは、今のオレと同じく少し透けた金属質な見た目だ。もしかして、オレと同じ素材で出来ているのだろうか。何に使うカードなのか分からないが、材質が同じという事はここの施設で作られている素材なのか、もしくは在庫があるのかもしれない。在庫があるのなら、骨に成形して新たに補修するのもいいかもしれない。ちょっと夢が広がるな。