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山と谷がある話  作者:
02.海へ行こう
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 スタミナがある程度回復したので、探索を再開する事にした。

 とりあえず、マップを開いてみる。ここは地下十七階。目指す場所はこの下、地下十八階だ。オレが通ってきた通路は明るくなり、その他は黒いまま。見た感じ、ここは通路しかマップに表示されないのかな。通路の外、壁外は黒くなっており、何も無い表記のようだ。実際は穴を空ければ空洞なり岩盤なりがあるのだろうが、今試す必要はないだろう。

 曲がり角になっている壁を見てみる。各所が錆び付いていて解りにくいが、案内表示がある事が分かる。残念ながら何と書いてあるかは読めないが。

 とりあえず、案内表示が存在する事は分かった。この階層を虱潰しに回って、

 階段や下に降りる設備を探そう。



 *******



 探索途中で階段ではないが、色々と気になる部屋を発見してしまった。

 扉は存在せず、中を窺う事が出来る。内部は電源が生きているのか明るく、何か動くモノが居る気配も動きも無い。………動かないモノはいっぱい見えるが。

 内部に並んでいるのは、何らかの液体で満たされた医療用と思われるカプセル。オレが余裕で入れる程の大きさだ。

 その中に浮かんでいるのは、例の蜘蛛怪人や矢鱈と頭部が肥大化したヒトのようなモノや、白骨化してるのかそもそも白骨死体だったのか分からないモノ。多種多様なモノが浮かんでいた。

 カプセル内に浮いているモノに意識があるようには思えない。そもそも、このカプセル自体の機能が停止している。内部に居る奴等は死んでいるのは確実だろう。

 気味が悪い部屋であるが、脅威となるモノが居ない事は確かだ。何あるかは知らないが、階段を探すのは後回しにして、この部屋を調べてみるか。


 まず、調べるのは、白骨死体だ。え? そこは蜘蛛怪人氏だろう? だって?

 いやいや、まずはオレのお仲間かもしれない

 白骨死体から調べるのが正ルートだろう。

 コイツが何故白骨化してるのは直ぐに分かった。コイツの収まっているカプセルが割れているせいで外気に曝されているからだろう。果たして、コイツは元々何の生物だったんだろうか。骨格から察するにヒト型である事は確かなのだが、ヒトではないようだ。

 頭部に二本の角のような突起があり、骨自体に金属的な光沢が見える。金属かと思ったが、白骨化する程空気に曝されているのに錆付いていない事から金属ではないか、錆ない金属である事が推測される。

 錆ない金属といえばゲーム的に考えると、ミスリルとかオリハルコンとかか?

 いいなぁ。オレもミスリルの骨格だったら、打撃弱体が改善されるかもしれないのに。もし、コイツが骸骨兵(スケルトン)だったら、さぞレベルの高い骸骨兵(スケルトン)なんだろうな。

 オレはなんとなしに白骨死体の上腕骨を手に取った。天井の光に翳してみると、若干透けて見える。透け透けスケルトンといった所か。うん、凄いくだらない事言ったな。しかし、何で透けているのか。もしかしたら、金属という訳でもないのかもしれない。まぁ、オレが想像出来ないような未知の物質で出来ている事は分かったな。

 ここをこう交換出来ないもんかな………。オレは自身の腕に上腕骨を宛てがい、交換出来ないものかと思った。



『補修を開始しますか? はい/いいえ』



 は?………え?

 そういえば、墓地に行けば部位欠損を他の骨を使って補修出来るとか聞いたな。………え? ここってリスポの墓地扱いなのか? そして、この明らかにレベルの違う骨も補修対象として使える? のか?


 オレの心は一つだ。補修をする事にした。



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