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巨大な輸送砲は今も上へと伸びている。いつまで伸びるのか、そしてこの状況で何処から中へ入るつもりなのか。
「砲門から………と言いたいところだが、間に合わなそうだな。砲側面に点在するメンテナンス用の扉から中へ入ろう」
TYPE_F_01が位置を明示し、TYPE_R_03が力づくで取り付き、扉を無理矢理開けて中へと侵入する。
中へと入ったのはいいものの、内部構造とかコイツ等分かっているんだろうか。迷子になって、骸獣射出に間に合わなかったとかだと目も当てられないぞ。壊してもよいモノならば全ての壁をぶち抜けばいいんだが、骸獣討伐後にコレを再利用するつもりらしいため、軽率にその手段は取れない。
「それは心配要らない。私は本来はこの世界に溶け込んでいる情報体だからな。既に内部構造は全て把握済だ」
TYPE_F_01の案内で内部をスイスイと進んで行く。いつかの海底軍事施設のような妨害でもあるかと思っていたが、道中何事もなく目的地へと着いた。てっきり吸血鬼の成れの果てみたいな奴でも居ると思っていたんだが。
「そういえば、ここの吸血鬼は不死者ではないらしいな。という事はアイツ等は第二人類種枠だろう? そもそも、何で骸獣の端末なんだ?」
太陽光に弱い吸血鬼達を守る?ために、擬装天蓋を遺した第一人類種も居る。つまり、古代の吸血鬼達は骸獣の端末などではなかった筈だ。それが、どうしてこうなったんだ?
「吸血鬼は世界獣殲滅戦の後期に造られた、木人種に星冥獣の遺伝子を配合した種だ。恐らくだが、魔素適性の高い木人を更に身体的に強化した種族を造りたかったんだろう。その目論見は実現出来たが、骸獣の遺伝子を持つ事で、TYPE_Oの標的になってしまった事は誤算だったようだな。まぁ、日光を浴びた程度で死ぬとは思えないが。それと、奴等が他生物の血液を摂取する事で魔力補給が出来るのは骸獣由来の能力だろう。奴等は星の生命を吸い取って食い潰す害獣だが、流石にあの吸血鬼達にはそこまでの能力ではないだろう」
星冥獣の遺伝子を組み込んだ木人種ねぇ………。人類の敵である奴等を利用するってのは何処かで聞いた話であるが、デメリットについては考えなかったのだろうか。
他者の血液から魔力を摂取する能力も星冥獣由来か。魔力を持たない第一人類種は対象外で、第二人類種を標的にしている訳か。
そういえば、血液を吸う事で他者を眷属化?出来るとかいう能力は何なんだ? アレも星冥獣能力から?
それと、ヒルデ氏の“真祖”とかいう種族だ。アレと普通の吸血鬼は何が違う?
「眷属化………というモノについては現物を確認していないから分からない。恐らくだが自身の血液を他者に注入する事で、星冥獣の遺伝子情報を転写させているのだと思う。遺伝子情報を打ち込まれたモノは星冥獣ウィルスに冒され劣化吸血種になり下がるのだろう。“真祖”とその他の吸血種の関係がこれにあたるのではないか? 今では劣化吸血種の方が通常種のようになっているようだが」
“真祖”と呼ばれる吸血鬼はヒルデ氏以外にはもう残っていないらしい。ふと思ったが、アイツ等は交配で増える種族なのだろうか。
いや、街には子供の吸血鬼も居たし、眷属化だけが増える方法ではないのだろうな。それに対しての“真祖”とやらは一体………。あれか? 純血種的な種族なのか? それならば、この島以外に“真祖”の吸血鬼が居ない限り、“真祖”は絶滅してしまうな。………まぁ、あの島の状況ではヒルデ氏は既に死んでいるかもしれないが。
モンハンワイルズβやってたら更新するのを忘れていました。
と思ったら内容が重複していたらしい。モンハン楽しすぎたから仕方ないね。ゴメンね。




