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「熱くなってるところ悪いが。本当に吸血種達を助ける事は出来ないのか? 骸獣とやらの端末とはいうが、彼等はそれとは別個体なんだろう? 彼等に聞いた話が本当ならば、吸血種として何代も入れ替わってきたらしいじゃないか。本体と彼等で生命が繋がっているのなら分からないが、本体が死んだところで大した影響を受けないんじゃないか?」
オレとロドリック氏の間で見えない火花が散っているところに、横から割り込むエレイン氏。
まぁ、確かにそれはそう。元々は骸獣の端末として生み出されたが、代を重ねる事によって違う生物になっていく………みたいな事もあるのかもしれない。知らんけど。
「それは分からない。確かに、骸獣と吸血鬼とは別個体だ。しかし、吸血鬼達は骸獣に命を分け与えられた存在。今までの傾向から、本体が死んだ場合、存在を維持出来なくなり死亡もしくは消滅する可能性が高い。しかし、助かるかもしれない。実際のところは、骸獣を殺してからでないとどうなるのかは分からないという事だな。………あぁ、“骸獣を殺さない”という選択肢は無い。貴方達に提示したのは、私達の邪魔をしないようにしろという要請だけだ」
「なるほど。つまりは、やってみなければ分からないといった不確定事象の高い事柄という事か。ならば、ボクにもやりようがある。例えば、この場でキミ達を力づくで止めるとかね!」
例え“勇者”でもTYPE機には勝てないと思うぞ。旅人とTYPE機の間には越えられない壁が何百枚とある。もしかしたら、いつかは越えられるかもしれないが、それは今ではない。
ロドリック氏は小妖精に躍りかかり、輪切りになってラクガン氏の身体から転がり落ちていった。
「あれ?」
身体が輪切りにされたのに、まだ死亡判定じゃなかったのかよ。竜人種という種族が“勇者”になると、大分しぶとさが上がるようだ。と言っても、一声上げるのが精一杯だったようでロドリック氏はそのまま死んだ。
勿論、これをやったのはTYPE_F_01ではなく、TYPE_R_03だ。
TYPE_Fに戦闘能力は無い。今の身体は小妖精ではあるが、中に入っているから魔法が使える訳ではないようだ。それに、高レベルな勇者の防御力を抜けるのはTYPE_R_03でないと無理だろう。
「さて、邪魔者も居なくなったが、貴方達はどうする? さっきの竜人種のように私達に向かってくるか、観客席に座るか」
落ちていくロドリック氏を目で追っていたエレイン氏は、その声でTYPE_F_01に視線を戻した。何となくつまらなそうな顔をしているのは気の所為だろうか。
「さっきも言ったように、私は観客席に座るさ。私はロドリックのような吸血鬼に対する想いは特に無いからな。恐らくだが、一番安全なのはコイツの隣だろう? 貴様等がどういう戦いをするのか興味があるし、私は安全な場所で過ごす事にするよ。………ところで、話は変わるんだが。貴様等の用事が終わった後、例の輸送魔砲とやらは私達でも使えるようになるのか?」
そういえば、エレイン氏は宇宙に興味が在ったんだったな。自星の“敵”が宇宙に居るとかで、宙へと上がる方法を探した筈だ。
この星の技術を学ぶ事で、自星でも物資輸送砲を作ろうとでもしているのかもしれない。
ただ………恐らくだが、輸送砲は第一人類種の遺産だからエレイン氏には構造を理解出来ないと思う。まぁ、今これを言ってもエレイン氏の怒りを買うだけなので黙っておこうな。
「充電されているエネルギー量によるが、恐らくは可能だろう。私達の目的の一つには、貴方達のような旅人を宇宙へと上げるという事もある。もし、使うつもりならば、この場に居合わせた点も踏まえて使用優先順位を上げよう。尤も、宇宙に適応出来るならばの話だがな」
宇宙に適応………。つまり、真空内でも生命活動を維持出来るような装備と無重力でも移動出来る推進力を備えるのならば………というところだろう。移動力は兎も角、宇宙空間での生命維持という点では不死者に敵うモノは無いだろう。なんたって、元々死んでるので生命維持が必要無い。まぁ、ゾンビーフ氏のような種族は分からないが、骸骨兵であるオレには諸々の条件をパス出来る。
しかし、旅人を宇宙に上げるのが目的? 何故? TYPE機の使命的に考えると、宇宙にも骸獣が居るのか? TYPE_Oの怪光線が有るのに?
まぁ、今それを言っても教えてはくれないだろうな。TYPE_R_03はそういう事を聞いてもいないのに教えてくれる気がするが、TYPE_F_01は教えてくれないだろうな。守秘義務とかで。
話数長い話を書いていると、なろうのUI使い難いな…と思う今日この頃。




