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山と谷がある話  作者:
09.大断裂
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 エド氏と話をしていると、前方に何やら見える。水中に建造物? 何だか三角っぽい見た目なんだが、ピラミッドか?


「アレが魚人(サハギン)達の住処だ。何でも超巨大な貝みたいな生物を飼い慣らして、体内に住んでいたらしい。遺跡調査の依頼(クエスト)を出しているのは、アレの中だ。俺達も中へ入るぞ」


 超巨大な二枚貝らしく、半分砂に埋まっている。そもそも、ここはこんな馬鹿デカい生物が居るような深さじゃないだろ。それ、飼い慣らしているんじゃなくて、寄生しているって言わない? オレ達もアレに入って本当に大丈夫?


『まぁまぁ。虎穴に入らずんばとか言うであります。中に入ってみないと、暫定敵である小魚共がどんなモノかも分からないでありますよ?』


 魚人(マーマン)の住処だという超巨大な二枚貝の周りには、警邏中なのか何体かの魚人(マーマン)が周遊している。

 エド氏は、それらを横目で見つつ二枚貝へと近付いて行く。二枚貝はぴっちりと殻を閉じている状態だ。これを抉じ開けるのは生半可な事ではないだろう。

 で? これはどうするんだ? 周りの魚人(マーマン)に言って開けて貰うとか?


「ほら、あそこ。アレが出入り口だ」


 エド氏が指し示した場所には、魚人(マーマン)が一体程入れるような大きさの穴が空いており、中に住んでいると思わしき魚人(マーマン)が出入りしていた。

 殻にあんな穴空けて大丈夫なのか? 外敵とかさぁ。………いや、共生?している魚人(マーマン)達が居るから、敵が来たとしても大丈夫なのか? 魚人(マーマン)にとっても、自身の家が襲われるのは良い気がしないだろう。そういう時は、総出で襲ってきた敵を返り討ちにするとか。


「あぁ、貝自体はもう死んでるぞ。貝と共生関係だったのは遠い昔の事で、食糧難の時に食べちまったらしい。今は貝の殻だけが残っているようだな」


 魚人(マーマン)達の住処へと入る。門番らしき魚人(マーマン)は中に居たらしく、エド氏が適当ではあるが挨拶していた。無視されたが。

 貝の内部には様々な所謂箱物建築が建ち並び、魚人達は各々出たり入ったりをしている。


「あの建物の窓っぽいのあるだろ。アレが魚人(サハギン)一匹分の固有スペースらしい。何というかカプセルホテルっぽいよな。いや、アレより狭いか。………何と言うか、ここの魚人(アイツ)等に意思を感じないというか………NPCだとしても、もうちょっとあるだろ。あんなんだから、俺も余りここに来たくないんだよな。何と言うか不気味で」


 建物にはズラリと魚人(マーマン)の顔が並んでいる。魚人(マーマン)には瞼が無いからか不気味な光景だ。

 例の人魚氏から、この星の魚人(マーマン)は一体の女王に仕える兵隊だと聞いたが、あの意思の感じない状態は兵隊というよりかは人形染みている。あの世界(ゲーム)人形(ドール)種の方が余程感情が出てるぞ。

 ところで、こんなんで依頼(クエスト)とか出せる奴が居るのだろうか。兵隊魚人を管理する上位魚人とかが居るのか?


「あぁ。依頼(クエスト)を出した奴はこっちだ。まぁ、アイツ等みたく魚人って訳じゃないんだが」


 ここの魚人の街?にはヒトが生活するための施設がほぼ無い。ヒト………魚人の往来は有るには有るが、こちらに対しての反応は一切無く粛々と自分のスペースに出入りするだけだ。

 エド氏に連れて行かれた先、広場のような所にポツンとホログラム映像が表示されている。映っているのはやはりというか魚人(マーマン)だ。


『おはようございます。おや、クソ長名前のエドではないですか。もう調査は終わったのですか?』


「まだだ。人手が圧倒的に足りねぇんだよ。コイツも遺跡調査に協力するからよ。手続き頼むわ」


 この映像は何処から飛んできているのか。あの建屋に入っている魚人と比べて大分感情が豊かだ。コイツは本当に魚人か?


『了解しました。えー、では、そちらの方。お名前を伺っても宜しいですか?』


「あー、トワという。遺跡の調査って聞いたんだが、アレは何の遺跡なんだ? あそこに居る他の魚人の手は借りないのか?」


 この魚人が、何を何処まで知っているのか気になる。それに、あそこに他の魚人が近寄らないというのも気になる。答えてくれるとは思わないが、とりあえず聞いておかないとな。


『はい。トワさんですね。では、調査宜しくお願いします。………あぁ、あの遺跡ですね。アレは遥か昔、ヒトが地上で生きていた頃の名残りと言われています。ですので、調査内容は何でも良いです。こちらで精査しますので。それと、彼等は別の仕事がありますので、こちらが勝手に動かす事は出来ません。ですから、申し訳ないですが遺跡調査は暫くエドとトワの二人でお願いします』


「なるほど。その調査についてだが、そちらのバックアップは受けられないのか? 例えば、遺跡周辺で凶暴な野生生物が出て来た時に安全を確保するとか、調査に使うような道具を配布するとか」


 ホログラムの魚人はそれに答える事なく、突然ブツンと映像が消えた。


「行こうぜ。こっちが何かを聞くと大体コレだ。それくらい自分で何とかしろって事なのか、随分と不親切な奴等(NPC)だぜ」


 いや、この星はあの世界(ゲーム)じゃないから奴等はNPCではない………と言うのは簡単だが、エド氏はゲームを遊んでいるだけのようだし、とりあえず黙っておくか。


ドラパルトを見ながら書きました。

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