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辺りを泳ぎ回った結果。陸地は無いという事が分かった。まぁ、見える位置には無いってだけだが。
陸地は早々に諦め、次は下………深海に潜って行くと、何らかの建造物らしき物が幾つも見えた。恐らく石で出来ているのだと思うが、永い年月を経たのか崩れ落ち、周囲には藻類が茂り全容が伺い知れない。
ただ、何かの住居っぽい見た目なんだよなぁ。周りに陸地は無かったから、地盤沈下でこんな所まで来たのか、将又この星の住人の住処だったのか。
崩落した古い建造物周辺を周遊してみる。大半の建造物は住居っぽい物だった。石畳っぽいのも見えたし、ここって以前は街だったのでは? あの世界での海底都市のように、昔のヒト達が暮らしていたと考えられる。
まぁ、何らかの要因で滅んだのだろう。しかし、ここに住んでいたと思われるヒト達は何処へいったんだろうな。
他にも情報が無いかと探し回っていたら、不審な人影を発見した。………見た目はオレと同じようなヒトだ。強いて言えば色合いが少し違うかもしれない。
この星の住人かもしれないな。一先ず話を聞いてみるか。
オレが近付いて来るのを察知したのか、勢いよくこちらへ振り返る。
「うおっ!? お前誰だ!?」
オレへと誰何すると同時に手に持っていた三叉槍………いや、銛だな………を突き付けてくる。
いきなり武器を突き付けて来るとはな。何気に“異世界”では初めてかもしれない。
「驚かせてしまって申し訳ない。オレの名前はトワ。しがない旅人です。ところで、貴方はここで何をしているんです?」
「は? 旅人? お前もゲームから、この異世界に来たのか?」
おや? この物言い、コイツも旅人みたいだな。次元口を通ってきた旅人に会うのもこれが初めてだ。“灼熱の星”で会ったのは、“旅人”ではなかったからな。
「えぇ、そうです。貴方はここで何しているんです?」
「あー、いや、現地調査か? ここで受けた依頼でな。奴等に聞いた話では、ここは過去に沈んだ大陸だったらしいんで、それの調査だな。詳しい事は俺も知らんから答えられないが」
過去沈んだ大陸? なるほどな。地盤沈下した、が正しかったようだな。
しかし、この旅人は依頼と言っていたな。この星の住人に依頼をされる程、信頼を得ているようだな。という事は、この星には何度も来ているのだろうか。
「アンタは、あー、トワとか言ったか。まぁ、いいや。アンタもここの調査に来たんだろ? なら、一緒にやらねぇか? 流石に広大過ぎてよぉ」
いやいや、オレはここに来たばかりなんだって。そもそも、まだここの星の住人にも会っていないから、依頼も何も無い。それに、ここの調査という依頼をオレも受けられるかどうかは分からないしな。
という事を婉曲的に伝えてみた。
「あん? アンタ、来たばかりなのか。それは仕方ねぇな。でも、これも何かの縁だし少し付き合ってくれよ。俺の調査結果教えてやるからよ。それをアイツ等に伝えれば、アンタにもポイント入るだろ?」
とりあえず、説明も無しに調査に巻き込まれそうな気がする。次元口がいつ開くか分からない以上、余り遠出したくないんだが。
「次元口? それならこっちから何時でも開けられるぜ? 知らないのか?」
え? 帰りの次元口って自分の都合で開けられるのか? それなら、わざわざ待つ必要が無いのかもしれないな。まぁ、それでも調査とやらを手伝うつもりは無いが。
「やり方? まず、メニューを開くだろ? 新しく“大断裂クエスト”ってのが増えているから、そこからだな」
オレの知らぬ間にそんな事が………。“大断裂クエスト”とやらの表記は有ったが、それっぽいのは無いぞ? 何か前提条件でもあるのか?
「無い? んー、あー、そういえば、開放条件が、同じ“異世界”に二度以上訪れるとかだったな。それなら出てないわ。次元口を出せねぇのなら仕方ねぇ。すまねぇな。邪魔しちまって」
なるほど? 同じ星に二回以上か。それなら、何処か平和そうな星………“渋谷の星”とかにでも行ってみようかな。
「まぁ、でも、また来いよな。俺一人だけじゃあ、終わる気がしねぇからよ。恐らくだが、このクエストはもっと大人数で進める奴だと思うんだよな。それなのに、会ったプレイヤーはアンタ一人だけ。新しいフィールドが解禁されたのも最近だから仕方ねぇとはいえ、飛ばされる先もランダムってのもなぁ」
いや、この星の住人に手伝って貰えばいいんじゃないのか? わざわざ旅人に調査を依頼する位だ。住人もこの遺跡?の調査をしているのだろうし、彼等と一緒にやればいいだけでは?
「は? NPCと一緒にクエストとか出来る訳ねぇだろ。何言ってんだ?」
んー、あぁ。そういうヒトね。最近こういうの見なかったから忘れていたな。
あの世界に参加している大多数の旅人は、あの世界を仮想世界だと思っているらしい。このヒトも例に漏れず同じようなモノなのだろう。
まぁ、ヒトの遊びに何かを言うつもりは無い。それにあの世界の裏事情を教えるつもりも無い。とりあえずは、調査とやらの詳しい話を聞いてお茶を濁すか。
このゲームの参加者は大きく3つのグループに分けられます。
1.あの世界を仮想世界だと思い込み遊ぶ観光客。
2.あの世界を仮想世界だと思うものの、第二の世界として生活する一般客。
3.あの世界の裏事情を程度の差は有れ、ある程度把握している招待客。
この話に出てくるプレイヤーが1 、ゾンビーフが2、トワが3となります。




