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山と谷がある話  作者:
09.大断裂
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 辺りを泳ぎ回った結果。陸地は無いという事が分かった。まぁ、見える位置には無いってだけだが。

 陸地は早々に諦め、次は下………深海に潜って行くと、何らかの建造物らしき物が幾つも見えた。恐らく石で出来ているのだと思うが、永い年月を経たのか崩れ落ち、周囲には藻類が茂り全容が伺い知れない。

 ただ、何かの住居っぽい見た目なんだよなぁ。周りに陸地は無かったから、地盤沈下でこんな所まで来たのか、将又(はたまた)この星の住人の住処だったのか。

 崩落した古い建造物周辺を周遊してみる。大半の建造物は住居っぽい物だった。石畳っぽいのも見えたし、ここって以前は街だったのでは? あの世界(ゲーム)での海底都市(アトランティス)のように、昔のヒト達が暮らしていたと考えられる。

 まぁ、何らかの要因で滅んだのだろう。しかし、ここに住んでいたと思われるヒト達は何処へいったんだろうな。

 他にも情報が無いかと探し回っていたら、不審な人影を発見した。………見た目はオレと同じようなヒトだ。強いて言えば色合いが少し違うかもしれない。

 この星の住人かもしれないな。一先ず話を聞いてみるか。

 オレが近付いて来るのを察知したのか、勢いよくこちらへ振り返る。


「うおっ!? お前誰だ!?」


 オレへと誰何すると同時に手に持っていた三叉槍(トライデント)………いや、銛だな………を突き付けてくる。

 いきなり武器を突き付けて来るとはな。何気に“異世界”では初めてかもしれない。


「驚かせてしまって申し訳ない。オレの名前はトワ。しがない旅人(プレイヤー)です。ところで、貴方はここで何をしているんです?」


「は? 旅人(プレイヤー)? お前もゲームから、この異世界に来たのか?」


 おや? この物言い、コイツも旅人(プレイヤー)みたいだな。次元口を通ってきた旅人(プレイヤー)に会うのもこれが初めてだ。“灼熱の星”で会ったのは、“旅人(プレイヤー)”ではなかったからな。


「えぇ、そうです。貴方はここで何しているんです?」


「あー、いや、現地調査か? ここで受けた依頼(クエスト)でな。奴等に聞いた話では、ここは過去に沈んだ大陸だったらしいんで、それの調査だな。詳しい事は俺も知らんから答えられないが」


 過去沈んだ大陸? なるほどな。地盤沈下した、が正しかったようだな。

 しかし、この旅人(プレイヤー)依頼(クエスト)と言っていたな。この星の住人に依頼をされる程、信頼を得ているようだな。という事は、この星には何度も来ているのだろうか。


「アンタは、あー、トワとか言ったか。まぁ、いいや。アンタもここの調査に来たんだろ? なら、一緒にやらねぇか? 流石に広大過ぎてよぉ」


 いやいや、オレはここに来たばかりなんだって。そもそも、まだここの星の住人にも会っていないから、依頼(クエスト)も何も無い。それに、ここの調査という依頼(クエスト)をオレも受けられるかどうかは分からないしな。

 という事を婉曲的に伝えてみた。


「あん? アンタ、来たばかりなのか。それは仕方ねぇな。でも、これも何かの縁だし少し付き合ってくれよ。俺の調査結果教えてやるからよ。それをアイツ等に伝えれば、アンタにもポイント入るだろ?」


 とりあえず、説明も無しに調査に巻き込まれそうな気がする。次元口がいつ開くか分からない以上、余り遠出したくないんだが。


「次元口? それならこっちから何時でも開けられるぜ? 知らないのか?」


 え? 帰りの次元口って自分の都合で開けられるのか? それなら、わざわざ待つ必要が無いのかもしれないな。まぁ、それでも調査とやらを手伝うつもりは無いが。


「やり方? まず、メニューを開くだろ? 新しく“大断裂クエスト”ってのが増えているから、そこからだな」


 オレの知らぬ間にそんな事が………。“大断裂クエスト”とやらの表記は有ったが、それっぽいのは無いぞ? 何か前提条件でもあるのか?


「無い? んー、あー、そういえば、開放条件が、同じ“異世界”に二度以上訪れるとかだったな。それなら出てないわ。次元口を出せねぇのなら仕方ねぇ。すまねぇな。邪魔しちまって」


 なるほど? 同じ星に二回以上か。それなら、何処か平和そうな星………“渋谷の星”とかにでも行ってみようかな。


「まぁ、でも、また来いよな。俺一人だけじゃあ、終わる気がしねぇからよ。恐らくだが、このクエストはもっと大人数で進める奴だと思うんだよな。それなのに、会ったプレイヤーはアンタ一人だけ。新しいフィールドが解禁されたのも最近だから仕方ねぇとはいえ、飛ばされる先もランダムってのもなぁ」


 いや、この星の住人に手伝って貰えばいいんじゃないのか? わざわざ旅人(プレイヤー)に調査を依頼する位だ。住人もこの遺跡?の調査をしているのだろうし、彼等と一緒にやればいいだけでは?


「は? NPCと一緒にクエストとか出来る訳ねぇだろ。何言ってんだ?」


 んー、あぁ。そういうヒトね。最近こういうの見なかったから忘れていたな。

 あの世界(ゲーム)に参加している大多数の旅人(プレイヤー)は、あの世界(ゲーム)を仮想世界だと思っているらしい。このヒトも例に漏れず同じようなモノなのだろう。

 まぁ、ヒトの遊び(プレイ)に何かを言うつもりは無い。それにあの世界(ゲーム)の裏事情を教えるつもりも無い。とりあえずは、調査とやらの詳しい話を聞いてお茶を濁すか。


このゲームの参加者は大きく3つのグループに分けられます。

1.あの世界(ゲーム)を仮想世界だと思い込み遊ぶ観光客。

2.あの世界(ゲーム)を仮想世界だと思うものの、第二の世界として生活する一般客。

3.あの世界(ゲーム)の裏事情を程度の差は有れ、ある程度把握している招待客。

この話に出てくるプレイヤーが1 、ゾンビーフが2、トワが3となります。

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