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山と谷がある話  作者:
09.大断裂
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 周囲はガヤガヤとうるさい。まぁ、ヒトがこれだけ多ければな。

 この世界が、所謂“当たり”か“外れ”かはまだ分からない。行く宛もなくウロウロするのは余り良くないだろう。今のオレはTYPE_R_03を“装備”している。防御面はそれなりだろう。

 周辺の建物にはホログラムで映像が引っ切り無しに流れている。恐らく何らかの企業広告だろう。こんなものが流れているという事はこの辺りは安全地帯(セーフエリア)かそれに近いモノだろう。

 周辺を歩いていると何らかの動物のホログラムを発見した。それを映し出している台の周囲はちょっとした広場になっており、ヒトが大勢居る。映し出されているのが何かは分からないが、見た目的に狼系だろう。………なるほど。ここらに出てくる代表的な敵性存在(モンスター)という事か。


『多分違うと思うであります』


 じゃあ、何なんだよ。周囲にヒトが集まっている事から待ち合わせ場所として活用されているようだ。そこでこんな感じで注意喚起をしていると考えた方が自然じゃないか?

 まぁ、いいや。ゲーム的に考えるのならば、ここがリスポーン登録地点とかそんな感じなのだろうが、ここは異世界。そもそも、リスポーンという概念が無い………筈だ。


 ここは、“駅”という所だな。そういえば、先程の交差点に“渋谷駅前”という看板があったな。つまり、ここは“渋谷駅”という場所という事か。


『トワ殿はこの場所を知っているでありますか?』


 いや、知らない。ただ、“駅”という概念等は他の星から輸入(傍受)した情報から得た。何と言ったって、オレの星には娯楽というモノが無いのでな。オレの星に無い概念は他の星から文化ごと輸入するしか無いのだ。

 まぁ、それは兎も角。“駅”という場所は“電車”と呼ばれる乗り物に乗る所だ。ここにこれだけのヒトが集まっているという事は、人気の有る電車という事。故に、これ程栄えているのだろう。

 オレは“乗り換え案内”と書かれた看板を見る。これには、ここの電車が何処に通じているのかを描かれている筈なのだが、“渋谷”以外見えない。他の駅が有るのは分かるのだが、駅名がモザイク掛かって読み取る事が出来ないようだ。


『あれ、何て書いてあるか分かるか?』


 オレに読めないのならば、TYPE_R_03に読んで貰おう。旅人(プレイヤー)であるオレのように自動翻訳機能は搭載していないだろうが、あの星では最強兵器だ。同じような便利機能も搭載されている事だろう。多分。


『えー、ここが“渋谷”でありますか。隣が■■、その隣が■■■となってるでありますね』


 何だろう………TYPE_R_03は恐らく駅名を言ったのだろうが、それを聞き取る事は出来なかった。丁度、駅名にモザイクが掛かったような感じだ。視覚だけでなく聴覚すら機能しないとはな。これはもしかして、五感に邪魔が入っているのではなく、脳に入っているのでは?

 何らかの条件をクリアすると情報が開示される的な? そんなゲーム的なモノが異世界に在るのだろうか。

 とりあえず、乗ってみるか。確か、“券売機”という機械で電車に乗るための券を買うんだったか。………そういえば、この世界のカネを持っていないな。向こう(ゲーム)のカネなら持ってるんだが、使えるだろうか。

 案の定使えなかったので、“渋谷駅”を後にする。カネの規格が違うのか、投入口に入らなかったため、今使用するのは諦めた。


 駅前のホログラムをぼんやりと眺める。オレの知っている言語ではないが、旅人(プレイヤー)に搭載されている自動翻訳機能によって同時通訳されるため、何を言っているのかは分かる。

 今やっているのは何かのニュース映像のようだな。何でも、“渋谷駅”で突如意識を失い倒れるヒトが続出しているらしい。意識を失ったヒトの息はあったため、街中での集団昏睡事件として捜査がされているようだ。街で噂されているのは、道路の下を通る管が破損し有毒ガスを吸引した事によるモノではと囁かれているようだ。ただ、この街(渋谷)にはそのようなモノは無く、彼等が意識を失った理由は未だ不明なようだ。

 奇妙なのはそれだけではなく、意識を失ったヒトを“救急車”という乗り物で最寄りの“病院”へと運ぶ際に、途中でそのヒトが消えてしまうらしい。

 よく分からんが、流石に公共の映像にてデマを流すのは良くないのではないだろうか。


 オレの脳裏にピコピコと音が鳴る。これは、そろそろ帰りの次元口が開きますよという合図だ。

 確か、次元口が開くのは向こうの世界(ゲーム)で一時間だったか。その次がいつになるかは分からないようだし、とりあえず帰るか。


 こっちの世界(ゲーム)へと戻って来た。一度異世界へ渡り戻って来た場合、ゲーム内時間で一日間は次元口に乗れない措置が取られるようだ。連続で異世界に渡れないようにしている理由はよく分からないが、再度あの長い行列に並ぶ気は余り無い。

 今回の所は最初の街(イチバン)へと戻って休むとするか。


この小説は個人の妄想で書いたモノです。実在の地名等とはそれほど関係ありません。

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