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山と谷がある話  作者:
09.大断裂
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 私室でゴロゴロする事暫し、やっとデスペナが解消された。

 ふと思ったが、デスペナ中に死んだらデスペナ時間が加算される仕様って、デスペナ中にリスキルしたら只管拘束出来るという嫌がらせが出来るな………。オレはやらないけど。

 この世界(ゲーム)では完全な安全地帯(セーフエリア)は少ない。場所によっては街中でもキル出来るからな。

 領有地内の安全地帯(セーフエリア)で殺傷行為禁止と設定するためには色々と制約がある。特殊なアイテムだったり、法律で縛る必要が有る。しかも、それらで殺傷行為禁止としても、仕様的に事故は防げない。それを悪用して他の旅人(プレイヤー)に嫌がらせを働く奴も居るらしいのだ。いやぁ、ヒトの悪意ってのには際限が無いね。

 前の街(イッカク)今の街(イチバン)も完全な安全地帯(セーフエリア)ではない。そんなモノを設定した所で無駄だからな。………因みに、ヘイルデン要塞はそもそも安全地帯(セーフエリア)ですら無いらしい。


 セインへは移動施設(テレポート)で一瞬だ。

 今のオレはTYPE_R_03を“装備”し普人族(以前のオレ)を再現している姿だ。まぁ、これはなんとなくだな。

 今回も、異世界へ渡る際の同意書を提出し、待機列へと並ぶ。ここも相変わらず盛況なようだ。

 列に並んでいると、他のヒト達が話している噂が自然と耳に入ってくる。

 なんでも、飛んだ先の異世界には、“当たり”と“外れ”があるようだ。基本的には“当たり”の異世界は、この世界(ゲーム)と同じような世界だったり、平和な世界観だったりするらしい。対して、“外れ”の異世界は世界の環境が厳しかったり、酷い所だと異世界に着いた瞬間に死んだなんて世界もあるらしい。

 また、このタイミングで異世界へ渡るという要素(コンテンツ)を追加した運営()に疑問の声を上げているモノも居た。

 行ける世界を広げるという意味ならば、時期尚早。何故ならば、今の時点でも旅人(プレイヤー)が拡げた世界は広くはない。こんな時に、わざわざ異世界に行けるという要素を追加する必要性は無いのだ。

 この次元口は、ワールドクエスト“大断裂”にて発生した代物らしい。この“大断裂”が何を示しているのかは分からないが、この次元口は“大断裂”を解決するために必要な要素なのだろう。その情報を元に考えられるのは、運営()には次元口を使って行って欲しい、謂わば“大当たり”の異世界があるのだろう。それが“当たり”の異世界なのか“外れ”の異世界なのかは分からないが。

 ワールドクエスト“大断裂”を進めている旅人(プレイヤー)はその場所へ行くために何度も次元口に乗っている筈。つまり、冒険者組合でリストを確認すれば、どいつが進めているのかが分かるという事だ。

 なるほど? 次元口へ乗る際の同意書は最近始めたらしいが、誰が次元口に入ったかのリストはある筈だ。それこそ、次元口が発生した当初の無管理状態の時は分からないだろうが。

 つまり、冒険者組合は誰が“大断裂”を進めている旅人(プレイヤー)かを把握している? その上で、その旅人(プレイヤー)を公表していないという事か。ただ、裏で接触している可能性はありそうだな。

 まぁ、オレには関係のない話だ。オレ自身が他のワールドクエストを持っている件もあるし。ただ、こちらの“世界獣”クエストも積極的に進める意志はあんまり………。

 とりあえず、そろそろオレの順番だ。噂話に聞き耳を立てるのはここまでにして、次なる異世界へ備えるか。


 TYPE_R_03を装備したまま、次元口へ入る。

 おや? 何か小部屋みたいな所へ着いたぞ。小部屋と言っても、建物内ではない。辺りは真っ暗闇で幾つかの星が輝いている。ここは何処なんだと考えていると、オレの眼前にインターフェースのようなモノが出現した。

 なになに? 何処へ飛ぶか選べ?

 それに表示されているのは、“以前行った異世界”と“ランダム”のどちらかを選べるようになっていた。

 以前行った異世界………つまりオレの星なんだが、今行ったら前回と同じ目に会う気がするんだよね。それに、オレの星に行ったところでやる事は無い。

 ここはランダム一択だな。何処へ飛ぶかは分からないが、流石に入った瞬間に殺される事は無いだろう。多分。

 二度目以降は、行った事のある異世界を選べる仕様なんだろうか。つまり、何度も次元口を使えば行ける世界が広がるという事だ。

 オレはランダムをタップする。同時に前方に光るゲートが現れる。アレを潜ればランダムで異世界に飛ばされるという事か。


 強い光に目が眩む。骸骨兵(スケルトン)には瞼は無いが、TYPE_R_03の擬態のお陰で瞼を閉じる事が出来るのだ。

 目を開けてみると、周囲に居るのは、ヒト、ヒト、ヒト。普人族(ヒュム)が大勢居る。更に周囲に建ち並ぶのは高層建造物だ。どうやら、今回の異世界はそこそこ発展した星のようだ。

 周囲の普人族(ヒュム)は交差点と呼ばれる所で立ち止まっている。しかし、余りにもヒトが多すぎる。道路には引っ切り無しに乗り物が行き交っているが、信号(ルール)無視して渡るヒトは居ないようだ。信号の横には“渋谷駅前”という看板が見える。

 信号が赤から碧に変わる。一斉にヒトが歩き出す。大勢のヒトは様々な見た目をしている。明らかにあの世界(ゲーム)のモノだと感じ取れるヒトも居れば、礼服に身を包んだヒトも居る。ここは、どういう世界なんだろうな。


ヒトが異常に多く居て邪魔だとしか思えないのに、あそこは観光名所らしい。ヒトの考えはよく分からない。

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