表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山と谷がある話  作者:
01.山へ行こう
32/460

32

 

 今居る場所は、例のピラミッドもどきの入口正面だ。ここから真北に進むためには、このピラミッドもどきを迂回して行かなくてはならない。超巨大な建造物の外周を回るのは手間だが、中を突っ切って行く訳にはいかない。

 向う側にもここと同じような入口があるらしいのだが、透明化や死んだふりを駆使しても辿り着ける気がしない。シーン氏達と一緒に進んだ時にチラッと見た一番の雑魚敵らしき奴もオレが今迄遭って来た奴とは格が違う感じがしたからな。

 試練の間は正直ヌルゲーだったが、このピラミッドもどきダンジョン自体の難易度はかなり高いようだ。

 そんな訳で、外周をぐるりと回る感じで歩き出す。この一辺だけでどんだけの距離があるのだろうか。一応端は見えるのだが遠過ぎるぞこれ。


 シーン氏達の調査では、ピラミッドもどきの周囲にはそんなに脅威的な敵性存在は居ないらしい。ただ、モンスターは居る。このエリアで最も繁茂しているのは、ピラミッドもどきの周囲に無数に蔓延っていると教えて貰った。まぁ、この紅い木々の事なんだが。

 シーン氏曰く、この紅い木らしきモノの名称は紅耀樹(コウヨウジュ)と呼ばれ、樹精霊(ドライアド)の一種との事だ。ただ、紅耀樹自体の本体はとてつもなく巨大であり、ここに乱立している木のようなモノは本体の触手のような物という話だ。

 この紅耀樹、ピラミッドもどきを中心に生えているらしく、本体はピラミッドの地下に居るだろうとの事。………でも、地下には例の試練があったので、シーン氏の推測は少々間違っているのかもしれない。

 紅耀樹は一般的なドライアドと同じく中立的な存在だ。紅耀樹の森の中にはその他の動物や魔物は存在するのだろうが、恐らく本体が眠っているだろうピラミッド周辺には寄って来ないらしい。

 つまり、紅耀樹の森に近付かなければそれなりに安全だという事だ。まぁ、こんな骨だけの奴に襲い掛かるような野生動物や魔物は居ないと思うけども。


 連々と考え事をしている間に端まで辿り着いた。しかし、とりあえずの目的地………向う側のピラミッド入口まではまだまだある。

 何も襲って来ない安全な道とはいえ、何も変化が無いのはつまらないな。マップを見ても超巨大なピラミッドもどきの周辺に紅い森が広がっている様子しか表示されないしな。

 ふと何かの視線を感じてピラミッドもどきの方を見る。相変わらずデカすぎるな。天辺が雲に隠れて霞んで見えるぞ。

 しかし、何か見られているような気がしたんだが、クルジャン王辺りだろうか。散歩してるだけのスケルトンを見てるとか、もしかして暇なんだろうか。



 ******



 大体ここら辺が反対側だな。

 結局、何かの視線を感じたのはあれっきりだった。何だったんだろうな。何か天辺が光ってたような感じがしたし、中で何か………クルジャン王が何かしているのかもしれない。まぁ、どうでもいいか。

 ところで、反対側には山らしき物があった。生憎、ピラミッドのせいなんだろうが物理的に山が削られていた。まぁ、そのお陰でオレが進みやすくなってるのはいいな。相変わらず紅耀樹の森が広がっている。今迄は森から外れて来たが、ここからは森の中を進まなければならない。

 オレはアイテムボックスから外套を引っ張り出し着用する。何だかんだで今迄着るのを忘れていたが、これからは必要だろう。

 アウリィ氏には見付かってしまったが、そろそろ透明化と気配隠蔽の力を試すような事が起きるだろう。多分。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そういや存在強度っえなんなんやろな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ