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山と谷がある話  作者:
01.山へ行こう
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03

 ログイン三回目。


 いやぁ、嫌な事件でしたね。

 そもそも初めからゾンビとかやるのがよくなかったのかもしれない。ゾンビとはいえヒト型のモンスターだ。レベルも適正ではないのかもしれない。

 やはり、ここは定番に則ってスライムみたいな不定形生物からやるのがセオリーだろう。


 この共同墓地は、初心者が初めにリスポーンする街である………何だっけ?確か『彩の都市イッカク』だったか。まぁ、その街の墓地らしい。

 我々不死族プレイヤーは街中でリスポーンする訳にはいかないので、対応都市の墓地がリスポーン地点になるようだ。

 そして、イッカク共同墓地は、町から少し離れた郊外の森の中にあるらしい。墓地にある案内図によればの話だが。

 この森の中にあるというのが、ポイントだ。森の中にならば、ゾンビよりも弱いモンスターが居るのだろう。多分。

 そうと決まればとっとと森へスライムを狩りに行こう。


 第二村人……もといスライム(?)、不定形生物が姿を現した。

 まさか本当に出るとは。

 暫定スライム氏はウニョウニョと動きながら、何だか黒っぽい物に覆い被さり食事中のようだ。スライムの食事シーンとか初めて見るけど、あんな感じなんだな。

 さて、食事に夢中になっている隙に攻撃………攻撃? どうやって?

 そういえば、武器とか持ってないんだったな。

 それに、恐らくだがスライム系は物理攻撃無効か、軽減のスキルを持っていた気がする。ついでに、スライムは強酸性だ。うっかり触ったら消化されそうな気がする。やはり、オレにはスライムも敷居が高かったのだろうか?

 まぁ、うだうだ考えていても仕方ないのでとりあえず、そこらへんの木の枝をへし折って棍棒として使う事にする。


 慎重にスライムとの距離を図り、一息に木の枝を振り下ろす。

 グニョンとした手応え。スライムに当たった事は当たったが、この手応え………これは効いている感じじゃないな。と思っていたら、木の枝が物凄い力で引っ張られスライム氏の身体の中へと消えていった。


 武器を奪われた事に呆然とするオレだったが、強い敵意を感じ総毛立った。骨だけなので毛は無いのだが。


******


 エリアボス、“暴食の”ブラックスライムと敵対しました。


******


 何て?


 ブラックスライム氏が目にも留まらぬ速さで覆い被さり、オレは瞬く間に消化され死んだ。

 幽体状態でオレは独りごちる。


「何でこんな所にエリアボスが?」


 序盤も序盤のエリアだぞ? こんな所に居ていい奴じゃないだろう。それに、上位種のブラックスライムな上に、何故だか知らないが称号持ち。明らかに場違い感が過ぎる。

 何だかとても遣る瀬無くなり、オレはログアウトを選んだ。


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