表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山と谷がある話  作者:
01.山へ行こう
13/480

13

 ログイン九回目。


 ログアウトする前に死んだふりをしていたので、死んだふりの幽体状態からスタートだ。

 幽体状態で周りをとりあえず観察する。特に変わった事はなさそうだな。余り警戒する事もなかったのかもしれないが、念の為だ。オレは死んだふりを解除して起き上がる。

 今回は何するかね。とりあえずは、ダーマ氏と会ってみるか。

 山小屋内を歩き回ってみたが、ダーマ氏は(おろ)か他の宿泊客も見かけなかった。

 出入り口付近のメッセージボードにダーマ氏からの伝言が書かれているのを見つける。

 メッセージボードによると、ダーマ氏はイッカクから三つ進んだ先の街を拠点にしており、暫くの間ログイン中はその街の拠点に戻っている事。宿泊期間中ならば、小屋内の設備を自由に使って良い事等と書かれていた。


 そうか。ダーマ氏は居ないのか。仕方ない。

 今回は下の共同墓地からこの山小屋まで来る事が出来るルートを調べてみるか。マップ情報は金になると分かったからな。それにダーマ氏は、下の森には出来るだけ行きたくないって言ってたし。あのユニークボスに遭わない安全なルートを確立出来たら良い値で売れるかもしれない。


 そうと決まれば、オレは山小屋を後にし、周辺を探りながら下山して行った。

 崖崩れの場所をマーキングし、ゾンビが(たむろ)している所を印し、例の尾根を這い(つくば)って進み、つい油断した所で足を滑らせて転がり落ちた。


 崖から転がり落ちた事で、気絶状態に陥っていたのか、気が付いたら岩だらけの場所に居た。ここは、随分と礫が多いな。もしかしたら、近場に水場があるのかもしれない。

 起き上がろうとした所で、足に違和感。ふと足元を見ると腰骨が砕け、足の骨が丸ごと欠損していた。

 ステータスを見ると部位欠損状態になっており、LP上限が20になっていた。

 うーん………。これは、痛覚が無いから部位欠損しても、自分で何処が欠損状態かを確認しないとどういう風に欠損してるのかが分からんな………。

 しかし、今回は足が丸ごと無いのか。

 マップ情報を埋めるためには、足での探索が不可欠だ。これでは移動力がまるで落ちてしまい難航するだろう。部位欠損から復帰する術がないため、腕で匍匐前進するか、諦めて死に戻りするしかない訳だ。しかし、オレはこの程度で死に戻りするのも癪に障る。

 とりあえずは、このままで進める所まで進んでみよう。何とかなるさ。多分。


 進む事数十分、ちょっと諦めようかと思った。だって、全然進まない。匍匐前進のやり方が悪いのだろうが、これ腕の力だけでは全然進まないのな。道が礫だらけだから、進み辛い上に礫を掴んで移動とかも芳しくない。これは、やはり死に戻りした方がいいのかなぁ………。


「何やってんスかアンタ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こいついつも、欠損してんな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ