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山と谷がある話  作者:
03.再度山へ行こう
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 クルジャン王の長い話を聞き終えたので、再度地上へと上がる。

 予想外の展開で、アルが居なくなってしまったが、オレの予定は当初から変わらない。このままヘンシェル氏の所まで行くのだ。

 その前に撤退したらしいシーン氏達にでも挨拶しておこうかと一瞬考えたが、彼等が何処に居るか分からないし、そこまでオレの足だけで辿り着くのは無理があると考え直した。


 とりあえず、例の紅耀樹の森からエリアが切り替わると思われる場所まで行く事にした。

 アルと骸獣の戦闘で、周辺の環境はボロボロだ。元々この地域には紅耀樹しか生えていなかったが、それはアルが全て根絶やしにしたため、草木の一本も無い荒れ地になっている。そして、骸獣が暴れ回った跡として、地面が抉れたり、クレーターが出来ていたりと非常に移動し辛い地へと変貌していた。

 まぁ、この状態は仕方ないのだろう。クルジャン王も言っていたが、対骸獣戦では周辺の地形が変わる事はよくあったようだし。

 アルが機能停止していなければ、周辺環境を弄って元に戻すなんて芸当が出来たかもしれないが、無いもの強請りだなこれは。


 オレは、骸獣に抉り取られ谷状になった地面を迂回し、擂鉢状のクレーターを突っ切り、目的地へと歩いた。行く道の所々が高熱に曝されたのか、ガラス化したり赤熱し溶け落ちている箇所が見られた。そういえば、ここらの地面はジリジリとして熱いような気がする。………まぁ、オレは感じないので正直な所分からんが。


 大分長い事歩いて、とりあえずの目的地へと辿り着く。例の二分割されたような山だ。ここまで荒れ果てた大地だったのに、何でこの山は無事なんだ?

 やはり、以前と同じように何処からかの視線を感じる。

 紅耀樹が骸獣だとアルから聞いた際に、ここの視線も骸獣によるものだと思っていたのだが、どうやらオレの思い違いだったようだ。この地の骸獣はもう既に居ない。ならば、この視線は何処から、誰が見ているんだ?

 TYPE_Rの関係者ならば、オレが統制官スキルを持っている事は分かるだろうし。………もしかしたら、全く骸獣関連ではないのかもしれないな。知らんけど。


 さて、この二分割された山の間を通れば、違うエリアへと入る事になる。以前は気にしなかったけど、ここには何かしらの結界が張られているのだろう。何故って、向こう側が見えない。ぼんやりとは見えるのだが、向こう側に何があるのか認識出来ないというのが近いか。前、来たときはこんなんではなかったと思うんだが、何がどうしてこんな事に? やはり、骸獣関連なのか? アレを倒した事で何かのフラグが立ったとか?

 まぁ、ここで考えていても仕方がない。諦めて先へと進もう。

 オレは山の間を抜け、別のエリアへと足を踏み出し、


『あぁ、もしもし? 聞こえているかな?』


 何だか聞き覚えのある声に足を止めた。


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