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2話

「は?」


今この司祭何て言った?スキルがない?そんな事あるわけないだろう。

スキルは誰でも貰えるはずだ、なしってなんだよ!」


「………スキルがないってどういう事ですか!」

「………そのままの意味じゃ、残念じゃが君のスキルはなしだ」

「そんな…………神様まで俺を見捨てるのか…………」


俺は絶望した。祝福の義で、スキルを手に入れ新しい人生をおくれると思ったのに。なんだよこれ! なんなんだよ!


「おいおい、聞いたかよ!ルークのやつスキルなしだってよ!」


キースやその取り巻きたちが俺をバカにしている。それもそうか、だって俺は神様にも見捨てられたんだから。


「これにて祝福の義を終了する」


そして祝福の義は終わった。




それからの生活は地獄のようだった。


『ねぇ、見てあの子たしか祝福の義でスキルを貰えったかったらしいわ』

『神様からも見捨てられて可哀想に』

『無能は無能ってことなんじゃないの』


村の人々からも無能と言われるようになった。


「ルーク!チンたらしてんじゃねーよ!この無能が!」

「……………」


そして前よりも俺の扱いが酷くなった。前までは、最低でも食べる物は、貰っていたが、今ではほぼ何もくれいない。野垂れ死にそうだ。

そんな時キースとその取り巻きが現れた。


「無能のルークく〜ん?」

「……………」

「何か喋れよな!黙ってたらわからねぇだろ?」

『マジそれな!そうだ!そうだ」


キースやその取り巻きがからかってくる。


「そうだ!お前らにいいもん見せてやるよ。感謝しろよキース、無能なお前がこの俺様のスキルをあじわえるんだからな〜」


まさかキースのやつ俺にスキルを打つつもりか!


「まて、キース!剣聖のスキル何てくらったら死んじまうよ!」

「あ〜〜別にいいだろう。無能が死んだって悲しむ奴なんていないさ」

『ギャーハッハッハッハッハッハハッハッハッハッハッハ !!」


キースとその取り巻きは下品に笑っていた。


「じゃあ、行くぜ! 」

「スラッシュ!」


キースの剣から斬撃が飛んできた。俺はどうにかして避けようとするが避けきれずに当たってしまった。


「ぐぁ!」

「見たか!俺のスキルを!」

『凄すぎます!先日剣聖のスキルを貰ったばっかりなのにもう派生スキルが使えるなんて!』

「あたりまえだろぅが!」


くそ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


「今日はこれぐらいにしといやるよ!まぁ俺は明日からアヤカと冒険者になるんだからな!そう言われたらアヤカ言ってたぜ今までお前を庇っていたのはもしかしたらレアスキルを貰えるかもしれなかったからだって」

『ギャーハッハッハッハッハッハハッハッハッハッハッハ !!』


下品に笑いながらキース達は去って行った。


「は…………もう左腕は動きそうにないな」


それにしても、キースのやつもう派生スキルを使えるようになったのか。派生スキルとは祝福の義で貰ったスキルから派生する能力だ。

くそ!俺にもスキルがあれば!


「なさけないわねルーク」


声のした方へ向くとそこにはアヤカがいた。


「アヤカ………」

「もうキースから聞いているかと思うけれど、私は明日キースと村を出て冒険者になろうと思うの。本当はあなたにも期待していたのだけれど残念だわ」

「…………今まで俺に優しくしてくれていたのは、俺がレアスキルを貰った時のためだったのか?」

「そうよ。そうじゃなけゃあなたを助ける訳ないでしょ」

「……………そうか」

「さよなら。無能なルーク」


そう言ってアヤカは去って行った。


「は、はは」


村の人達からは無能と言われ、今まで優しかったアヤカもスキルのために俺に優しくしてくれていただけだった。こんな人生うんざりだ。


「死のう」


そう言って俺は村の外れにある森へと入って行った。





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