第4話 レベルアップ③
「おい、最近モンスターの数減ってるよな?」
ソロで戦いを始めて1週間が経っていた。
少々頑張り過ぎたようで、敵の数があからさまに減っていてみんなも変化に気づき始めてしまったようだ。
「敵がいないのはいいことだが……食料どうする?」「そうだよな。食料のカードが無けりゃ、まともに飯食えねえもんな……」
そう。
敵が減ったことにより、食料を確保しにくくなっていたのだ。
食は生きる為にどうしても必要な物だから、危惧するのは当然であろう。
俺の手に入れた食料を分け与えればいいのだが……
ここで大きな問題が一つあった。
それは、Nの食料――調味料ぐらいしか手に入れられないという弊害があるということだ。
俺が一人で狩りつくしても、N以上が出ないので食べる物に関してはどうしようもない。
ここは戦いをセーブするべきか……
「おい、辰巳たちが帰って来たぞ!」「おお!」
周囲の敵と戦っている上級職のメンツ。
彼らが戦闘を終え、根城に帰ってきた。
「よう、司」
「……辰巳」
その上級職の仲間たちを率いている男――
辰巳健司。
年齢は俺と同じ17歳。
茶色の頭髪に整った容姿。
銀色の鎧を着ていて、宝石のように美しい剣を腰に帯びている。
ジョブは上級職の中でもレアな勇者。
みんなの能力を底上げできるというジョブスキルを持つ、まさに司令塔のようなポジション。
みんなからも慕われていて悪い奴では無いのだろうが……
どうも上下関係には厳しい男で俺はそんなに好きじゃない。
「お前、まともな食料無いらしいな」
「ああ……」
「だったら、みんなの代わりに雑用頑張れよ」
「雑用……」
モンスターを倒すのは雑用になりますか?
そんな言葉が口から洩れそうになったが、俺はグッと堪えた。
「まあいい。ほら、肉だ。みんなの分も調理してくれ」
辰巳は数枚のカードを俺に差し出す。
SRの食料カード。
牛肉だ。
俺も食わせてもらっているから文句は言えない。
素直にそれを調理することにした。
◇◇◇◇◇◇◇
次の日。
みんなが起きるよりも早く根城を出て、俺はこれからのことを考えていた。
食料のことがあるから周囲のゴブリン狩りは控えなければ……
辰巳たちが食料を持ち帰ってくれればそれでいいのだが、時に収穫ゼロで帰って来ることもある。
だから仲間たちに食料を取らせるために、俺は別の場所で戦いをしよう。
力もそこそこついてきた。
まだゴブリンとしか戦ったことないが、なんとかなるだろう。
どうせ潜伏しながら戦うのだから、少々敵の強さが上がったところで無事に帰ってこれるはずだ。
そこで俺は現在のステータスを確認した。
島田 司
LV45
ジョブ 合成師
HP 243(+122)
MP 86(+17)
攻撃力 122(+61)
防御力 86(+17)
敏捷 86(+17)
魔力 122(+25)
運 101(+51)
ジョブスキル
合成
武器スキル
弩 31
アクティブスキル
火術Ⅳ
水術Ⅲ
風術Ⅱ
土術Ⅲ
回復術Ⅲ
心術Ⅲ
鷹の目Ⅲ 30
潜伏Ⅳ 30
盗むⅡ
パッシブスキル
HP増加(大)
MP増加(中)
攻撃力増加(大)
防御力増加(中)
魔力増加(中)
敏捷増加(中)
運増加(大)
自己再生(強)
毒耐性(強)
麻痺耐性(中)
石化耐性(中)
混乱耐性(中)
誘惑耐性(中)
病気耐性(中)
魔力消費軽減(大)
HP吸収(中)
成長増進(大)
うん。
こうやって見たら中々成長したものだな。
これならゴブリンより強いのが来ても、なんとかなるだろう。
スキルもSSRレベルの物が増えた。
レア度・N 攻撃力増加(大)
効果 攻撃力が1.5倍になる
レア度・N 自己再生(強)
効果 自動的に傷を癒す(1時間で全回復)
レア度・N 魔力消費軽減(大)
効果 消費MPが半分になる
など、元がNとは思えないぐらい効果が高くなった。
「本当に強くなったな……だけど」
だけど。
俺は今、とてつもなく気になることがあった。
それを確認する為に合成を使い《ホルダー》を開く。
ホルダーではいくつかのスキルが光っていた。
その中でどうしても気になっている物がある。
それは……
《成長増進(大)》。
現在このスキルは、SSR相当の効果がある。
そしてSSR以上の効果など聞いたことがない。
なのにだ。
なのに、この《成長増進(大)》が光っている。
スキルが余っていたので整頓ぐらいのつもりで合成していたのだが、同じ物が二枚揃いさらに合成ができるようになった。
これを合成したらどうなるのか……
もしかしたらという希望と、どうなってしまうのかという不安。
俺は二つの感情を胸に抱きながら、合成をスタートした。
固唾を呑んで結果を待つ。
「……おいおいおいおい」
マジかよ。
成長増進が……
さらに進化した。
レア度・N 高速成長
効果 通常よりも遥かに成長しやすくなる
「……SSR以上のスキル……LRクラスか?」
俺は笑い顔を引きつらせる。
あまりの結果に驚愕していた。
これって……上位職の連中より強くなれるんじゃないの?
妙にドキドキして、自分の体温が上昇していくのが分かる。
俺……どこまで強くなれるんだよっ。
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